Basic Channel についての備忘録 / BC-05:1994年: Inversion : 1: Inversion 2: Presence
1994年、個人的にはここからベーチャン伝説が始まったと言えよう。
今までの試行錯誤を繰り返した結果がついに素晴らしい形で現れる!
表題トラック1は、本当に素晴らしい!クラブユースフルでありながら、聴き込めるダブテクノに仕上がってんの!!
この当時で、これはとても凄いこと!サッカーで言えば、1990年代に突如現れたポリバレントな選手!(なぜにサッカー!?筆者がサッカー好きなだけw
BPMはやや早め、その早めのイーブンキックに疾走感のあるベースがうねり重なるビートで始まる、そしてその合間にややディレイの掛かったフレーズが重なってくる、裏ではおそらくベース音にリバーブを掛けてハイパスフィルター掛けてさらにカットオフでめっちこもらせた音を薄っすらとベース音に呼応するように唸らせている。
する内にハイハットが入りより疾走感を増す、さらに2拍4拍にクラップ音が重なる。時折、リバーブ掛かったオープンハイハットのような音や他に2種ほど音色パターンがビートの隙間を埋めるようにひっそりとだか程よく主張しアクセントを加えてくる。
そして、曲調を色付けしているディレイ掛かったフレーズは、フィルターで徐々に音の色合いを変化するように構成されている。勝手な憶測だか、このトラックが完成した時は、彼等は理想とする音にかなり近づいたと感じていただろうと想像する。お二方は、ハイタッチするようなイメージは無いけどw、少なくとも二人で手応えを共有して盛り上がったと勝手に妄想してる、変態な私Death!
対してトラック2だ。これまた良い。ただ実験的な音色のトラックである。
よって、DJで使うには難しいトラックではある。ではリスニング向きかというとこれまた微妙だが、良い。
basic channel的にもう1度言う、良いのだ、これが。
良いのだぁぁぁぁぁ(フェードアウト
ミニマルリズムの極致を目指したかのような同じフレーズの繰り返し、しかも音数はおそらく3か4音だけの構成、それらは有機的に重なり合いながら、フィルター&ディレイで音の色合いも周期的に変化していく、その様はまるで綺麗なDNAの螺旋構造のように絡まり、様々な生命体の音を立てていくようである。
にも関わらずいつものように展開はほぼ無いに等しいが、フィルターによる変化と重ね具合によるフレーズデザインのテンポが素晴らしいので、不思議と飽きない。(私のような変態だけが飽きないのかもしれないがw)
しかも凄いのが、こんな感じでこのトラックは20分も続くのだw
もう「やっちゃったーえへへ」ってレベルじゃなく、
「面白いからやってみましたが、何か?」ってレベル。
いやホント面白ければ良いんだよね。人生楽しんだもん勝ちだもの。
ただ、これを発表するのは、この当時としてはけっこう勇気が要ると思う。そんな意味でも伝説の始まりに相応しいトラック。
あのお二方は、どんな心境でリリースする決断をしたのだろうか?おそらく上記の通り面白い(やりたい)ことをやっただけ、だろう。(99%くらいそう思うw)
革新的なことは、法外でなければなし得ない、と言う。音楽シーンのルールなんて気にしてないのさ、あのお二方は、きっと。
そして伝説へ…(ドラクエ風
次のリリースは、私の人生を変えたと言っても過言では無い。