詩)都築郷士『ぶうつく』呟きの如く・19 附・詩人の為の秋冬ワードローブ集
女が惚れる男はどうしてつまらない男が多いのだろう。いやいや、男の惚れる女も、取るに足りない女が多いのはどうしてだろう。
とにかくに越えるを見まし空ウツせみの世わたる橋や夢のうきはし
-『私の好きな古典 樋口一葉・芭蕉』小島政二郎
(歌は一葉の日記から取つたもの。「古典」と云つても小島と一葉、それほど違ふ時代に仕事した訳ではない。「女が惚れる男」=半井桃水、通俗小説家。)
※
血圧の髙低タカヒク髭なるものゝ蔭 郷士
血圧計と言ふ便利もあるが、それより自分の顔つきを見た方が早い御仁もをられやう。←そりや手前だ。笑。
※
【詩】
自分の書いたもの を
幾ら讀み返してみて も
新しい何か の
生まれる訳 も
なく -
いや、さうかも知れぬが
そりや かもの のお話
物書く人たち 巨大なる一團
の中には 当然
己れを顧みて
成長してゆく、そんな人 も
大勢ゐるだらう
私も近作、讀み直してみたら
出るわ出るわの埃まみれ
誤字脱字はいゝとこ
てにをは、の間違へには
赤面の至り..
だがまあ
何とかやつてゐる、
自分らしく、と書いてゐる
小島政二郎先生は
芥川龍之介大先生より
一歩、退いたから
世に出られた しかも
真面目な仕事で。
真面目ぢやない仕事
やつつけ仕事で
すら、身を立てるのは
難しい。この
物書く人たち 巨大なる一團
の中では -
だから
誰をしも
さうさう
嗤へる
もんぢや ないよ、
(因みに、もんぢや焼き
ありや大人の喰ふもんぢや
ないねー、)
この詩は
後で慌てぬやう
推敲
し 推敲し
でもやつぱり
昨日の私は、昨日に
置いてきた方が
良いやうだ
ね。
©都築郷士
※
なかなかに讀んだ奴にも積んだのにも書いてない「眞」それが本なり
(©都築郷士)
いやはやなんとも、初心忘るべからず、と言ふけれど。その何たる難しさ -
余り、「言」はない、のだ。
六ツかしや 胡蝶になれと 秋云へど
- やだね、五七、ブランクで区切るの。
六ツかしや胡蝶になれと秋云へど 郷士
これでいゝ。ぢや、アデュー。
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