【中学生】地元の公立高校合格を目指すために
こんにちは。
今回は「公立高校の入試に向けて、どのように勉強すればいい?」というテーマです。
特に、地元の偏差値トップクラスの高校や、進学校を目指すためのお話になります。
よって今回この記事をオススメしたいのは、以下のような方です。
なお本記事では、国語・数学・英語・理科・社会の5科目「学力検査問題」の攻略を目的としております。
「推薦入試」という形態や、面接・小論文などについては本記事で取り扱わないので予めご了承ください。
公立高校入試の特徴
公立の高校入試の出題傾向は、都道府県ごとに異なります。しかし、どの都道府県でも共通している特徴もあります。
特徴①自治体ごとに問題が決まっている
基本的には各都道府県・自治体ごとに問題が決まっており、どの公立高校を受けるとしても同じ問題を解きます。
ただし、自治体によっては学校オリジナルの問題を別で用意しているケースがあるので、そこはしっかりリサーチしましょう。
※学校の担任の先生に聞いても良いですし、インターネットでも簡単に調べられます。
特徴②出題範囲は中3までの学習内容
入試の出題範囲は中3までの学習内容です。
ただ注意が必要なのは、中学生内容の中には「小学生内容の理解を前提としているものが多い」ということです。
たとえば、数学の方程式の文章題の問題では、速さや割合を絡めた問題が非常に多いです。
しかし、速さも割合は小学生内容のため、すでに理解できている前提で教科書は作られています。
よって、「小学生内容は全く出ない」というのは誤りです。小学生のときは全然勉強しなかった子が、中学生になってから勉強し始めた結果、数学の文章題でつまづくことはよくあります。
現在小学生の方は、ぜひ先を見据えて今から勉強していきましょう。
特徴③学校の教科書内容は逸脱しない
公立高校入試問題は、学校の教科書内容をもとに制作されるため、基本的には教科書に載ってない知識を問われることはありません。
たまに市販の難問対策の問題集を解いている受験生がいますが、公立高校の入試を乗り越えるだけであれば、教科書内容を超えるような難しい内容はできなくてもよいのです。
ただし、英語や国語で出題される文章読解は、教科書に載っている文がそのまま出るわけではないのでご注意ください。
公立の進学校を目指す上でNGな行動・考え方
①定期テスト前だけ勉強する
定期テスト直前期に一気に勉強して、短期間で高得点を取ったことがあるという中1・2生は多いのではないでしょうか。
しかし、高校入試を見据えるなら、そのような勉強方法はやめましょう。
短期間で詰め込んだ知識というのは、短期間で抜けていきます。
「受験生になったら、部活も引退するし、そこで一気に復習するよ」という生徒は多いと思いますが、はっきり言ってそれでは間に合わない人が多いです。
中3には中3内容の勉強もありますから、その復習に加えて1・2年内容を0からやり直しているようでは、とても数ヶ月では定着しないのです。
よって、定期テストの有無に関わらず、日頃から復習することが必要なのです。
「そんなこと言われなくてもわかっているよ。どうしてもやる気が出ないんだよ・・・」という方は、以下の記事がおすすめ。
②目先のテストを乗り切ることに意識を向けてしまう
中3生になると、受験を意識して勉強量を増やす生徒が増えます。
しかし、やりがちなのが「定期テスト勉強の感覚」で受験対策を始めることです。具体的には以下のようなものが挙げられます。
・中3になって直近に習った内容の復習に追われ、過去に習った1・2年内容の振り返りをしない
・中3の定期テストや模試が近づいてきたら、テスト範囲の勉強だけに絞る
・定期テストや模試が終わったら、点数や偏差値だけを気にして間違えたところの分析をしない
・睡眠時間を削って、とにかく詰め込む
・模試前日に塾の授業があるが、欠席して模試の勉強をする など
上記の行動は「目先のものにとらわれている」という点が共通しています。
高校入試という、もう少し後に控えたものこそが本番であるということに意識が向かないのでは。
「目先のテストの範囲を勉強してばかりで、過去に学習した内容を忘れていることに気づけない」
「テストが終わったら、たとえわかっていないところが多くとも、放置して先に進む」
「深夜遅くまで勉強するが、睡眠不足で定着せず、さらに翌日の授業が眠くて集中できない」
こういった問題を抱えたまま、なぜ模試などで点数が伸びないのか理解できずに「自分なんてやってもダメなんだ」と諦めてしまう生徒が多いです。
目先のものばかりに目を奪われていては、本当にやらなくてはならないことに手が回せなくなります。
もちろん、目先の定期テストや模試が大事ではないと言っているわけではありません。しっかり対策は必要です。
しかし、その対策をしつつも、受験を見据えた勉強もしてバランスを取るべきということです。
③「教科書内容から逸脱しない=簡単」とみなす
前章でも述べた通り、公立高校の入試問題は教科書内容をもとに作成されます。
このような情報は、学校の進路講和などでも得られるのではないでしょうか。
ただその事実を知って、「教科書内容なら簡単じゃん。読めばだいたいわかるし。一回学校でやってるし。」と考え、受験勉強を甘く見てしまうケースがあります。
※少なくとも筆者はその一人です...。
注意が必要なのは、「教科書内容をベースに作られる」ということであり、「教科書内容がそのまま出る」というわけではないのです。
私自身、模擬試験を作ったことがありますが、教科書に載っている内容をうまく繋ぎ合わせながら、頭を使わないと解けない問題を入れることもあります。
要は、教科書をベースにしても、いくらでも難しい問題など作れてしまうのです。
よって、「教科書の内容が何を言ってるかはよく理解できないけど、とりあえず書いてある内容は頭に入れたよ」といった表面的な勉強では不十分です。
教科書を本質的に理解するためには、それ相応の努力と時間が必要です。
④短期間で結果を出そうとする
多くの学生も保護者様も、努力を始めたら次のテスト結果に期待をよせるものです。
夏休み明けの模試に向けて、夏休み毎日8時間受験勉強を頑張ったとします。
約1ヶ月頑張ったのに、思うような点数が取れなかったとしましょう。皆さんならどう思うでしょうか。
「せっかく頑張ったのに無駄だった」「あんなにやって取れないならもう諦めたほうがいいのかな」と思う人もいますよね。
しかし、少し待ってほしいなと思います。
範囲が短いテストならともかく、中3生が受けるような模試などは、基本的に既習内容全部がテスト範囲になります。
2年以上かけて学んできたことを、たった1ヶ月の勉強でカバーできるでしょうか。よほど勉強が得意でなければ難しいでしょう。
テスト範囲を全て勉強したとしても、それが身についているとは限りません。人間ですから、忘れたり、わかったつもりになったりしてるかもしれません。
このように、受験生の受けるテストというのは、短期間の努力で伸びるようなものではないのです。
もし短期間で伸びたとしたら、それはたまたま得意な単元や勉強したばかりの単元が出たからと思った方がよいです。
受験勉強を本格的に始めて、成果が出て、そのまま安定するまでは最低3ヶ月以上はかかると思ってください。
短期間ではなく、長期的な視点で考えましょう。
⑤目標を低く設定する【小・中学生】
早いうちから「自分の今の実力で行ける高校でいい」という発想はやめましょう。
公立高校の出願時期がいつかご存知ですか?
もちろん自治体によって異なりますが、おおむね中3の1月末〜2月末の地域が多いです。
つまり、受験校を確定させるのは中3の年明け以降でいいわけです。
よって進学校を目指すようであれば、まずは地元で1番学力が高い高校にするとよいでしょう。
これを言うと、「いやいや、自分(自分の子)なんかが無理無理」と思われてしまいがちです。
しかし、「現在の実力=入試本番の実力」ではありません。全ては自分の努力次第で、今の学力より上にも下にもなりうるのです。
ですから、実際に最上位校を受けるかどうかはともかく、そこに合格できる学力を身につけるように勉強する意識を持つとよいでしょう。
さて本題ですが、目標を低くし過ぎると、「これ以上頑張る必要がない」状態になります。
もちろん勉強量が極端にゼロになる、ということは少ないですが、目標が高かったころに比べ、努力量が減るのは間違いありません。
すると、「現在の実力=入試本番の実力=合格圏」という式が頭の中に成り立ってしまうわけですね。
しかし実際は、「現在の実力≠入試本番の実力」なので、今よりも実力が下がって、妥協して選んだ高校さえも諦めるというケースも少なくありません。
それならば、最初は最上位の学校に合格できるような学習を進め、少しでも受けられる高校の選択肢を広げていくべきです。
「行ける学校」ではなく「行きたい学校」を決めて、自分の限界に挑戦しましょう。
※もちろん高校選択の基準は学力だけではありませんが、今回は学力面を優先した考え方を紹介させていただきました。
公立高校入試に向けた勉強方法・行動
①テスト前でなくとも毎日勉強する
定期テスト直前期に詰め込んで勉強する、という中学生は非常に多いのではないでしょうか。
毎日コツコツやっていても、結局忘れるものは忘れるので、直前期に短期集中でやった方が効率的に思えますよね。
たしかに定期テストだけなら、短期記憶に頼った学習でも一時的に成果は出せます。
しかし長い視点で考えた場合はどうでしょうか。
結論を言うと、短期間で詰め込んだものは、定期テストが終わった後で凄まじいスピードで記憶から抜けていきます。
そして受験勉強を始めた際に、また一から勉強し直さなければならなくなり、かえって非効率になるのですね。
よって定期テストの有無に限らず、日ごろから復習しておくと、受験勉強を始めた際に、一からやらずにすむことが増えるので、効率がよくなります。
といっても、日ごろから何の復習をすればいいのか悩ましい人もいると思うので、学習内容の例を以下に挙げておきます。
・国語・・・既習の漢字、文法、韻文の表現技法
→入試前に漢字練習をやっている時間はありませんので今のうちに。
・数学・・・計算問題を「速く・正確に」解く練習
→入試直前期に計算問題のケアレスミスがなくせずに悩む受験生をたくさん見てきました。
・英語・・・既習の英単語・熟語の覚え直し、教科書の音読
→中3の夏以降に「単語がわからなくて長文が読めません」という受験生、挽回はかなり厳しいです。
・理科・・・重要語句の覚え直し、各種実験の目的・方法・結果を説明できるようにする
→実験に関しては、「なぜそれをするのか」を理解するように勉強しましょう。
・社会・・・重要語句の覚え直し、地名・国名の暗記、歴史で各時代の要点と流れをノートにまとめる
→暗記事項が多い社会ですが、ただの暗記で終わるのではなく、「なぜそうなるのか」を意識すると知識として定着しやすいです。
あくまで数例を挙げただけですが、これだけのことを中3になってからやるのは時間的に厳しいでしょう。
いかに早くから、毎日勉強する習慣をつけられるかが大事です。
②5教科のバランスをとって勉強する
公立高校の進学校を目指す場合、基本的には受験科目が5教科になります。
苦手科目の克服も大事ですが、そこだけ一点集中しすぎて、他の科目に全く時間をかけなければ、当然他の科目の点数が下がります。
とはいえ、毎日5教科勉強するというのは、ハードルが高いでしょう。
よって平日は毎日2〜3教科、休日に3〜5教科こなすイメージで学習計画を立てます。
学習計画の一例を挙げておきます。
・平日・・・英数国中心(定着に時間がかかるため)
・休日・・・理社中心にして、残り時間で英数国の復習
もちろん、苦手科目は少し長めの時間を割く、といった微調整は問題ありません。ただ、極端にどれかの科目だけ勉強時間ゼロ、といったことにはならないようにしましょう。
③一つの教材を最低でも3回はやりこむ
あれこれたくさんの教材に手を出すよりは、一つの教材を確実にマスターする方が力になります。
どの中学生でも、教科書準拠のワークが渡されるはずです。まずはそれをやりこみましょう。
しかし1回やって完璧にマスターというのは難しいです。最低でも3回はこなしましょう。
※あくまで目安の回数であり、3回やれば完璧というわけではありません。
何回も問題を解いていると、いずれ全問正解できるようになります。しかし、「すべての問題が解ける」=「すべての内容を理解している」とは限りません。
たとえ正解していても、答えを覚えていると言うだけでは意味がありません。「なぜそうなるのか」にこだわるようにしましょう。
ここで一番言いたいのは、「何回も解く」ということが大事なのではなく、「完璧に定着することを目指す」ことです。
その手段の一つとしての「3回解く」というアドバイスなので、「よく理解していないけど3回解いたから終わり」にならないように注意しましょう。
④「なぜ答えがそうなるのか?」を明確にする
③の項目でも触れましたが、「なぜ答えがそうなるのか?」を納得がいくまで考える癖をつけましょう。
たとえば、国語の文章問題を例に挙げたいと思います。
記号選択問題(ア〜エの中から選べ、というタイプの問題)を解いたとします。
問題を解いて答え合わせをして、自分が「ア」を選んだのに正解は「イ」だったとします。
多くの中学生は、答え合わせの段階で、「アだと思ったのに答えはイなんだ。ふうーん。」と、×印と正解を赤で書いて終わってしまうのです。
もし解き直しをしたとしても、答えが「イ」だと覚えているので、あまり考えることなく「イ」を選んで○にしてしまう。このパターンは非常に多いです。
そうではなく、「なぜイが正解になるのか」「なぜアは不正解なのか」をしっかり考えましょう。
解説を読むなり、本文を読み直すなりして、まずは自分でできることをやります。
それでもなお理解できない場合は、必ず学校や塾の先生などに質問して、解説してもらいましょう。
今回は国語を例に書きましたが、他の科目でも似たようなケースはたくさんあります。
「なぜそうなるのか」という問いをそのままにせず、かならず納得できるまで向き合いましょう。
正直、この勉強方法はハードルが高いです。わからないことと向き合うのも辛いですし、先生に質問するのも面倒(緊張するという人もいる)なんですよね。
しかし大変だからこそ、「多くの中学生はやらない=差がつく」のです。
ぜひこの勉強方法を身につけてください。
⑤入試過去問を分析する
自分が受ける自治体の公立高校入試問題の過去問を分析しましょう。
分析というのは、「直近5年でどの単元が出題されていて、逆にどの単元が出ていないのか」を調べるイメージです。
たとえば国語では、小説が出されるところと出されないところがあります。自分の自治体では、どの単元を優先してマスターする必要があるのか知っておきましょう。
ただし、「出題されていない単元を一切勉強しない」というのはオススメできません。
自分が受験するときは出題されるかもしれませんし、何より勉強というのは「高校入試で終わるわけではない」からです。
優先順位はつけて学習するべきですが、入試までの時間が残されている中1・2生は、入試に出ない単元も触れておくようにしましょう。
ちなみに、本格的に入試過去問を解くのは中3の12月〜1月がオススメです。
早期に解いても、まだ未習単元があり、十分な練習にならないのと、直前期の予行練習ができなくなるからです。
中3の早いうちから入試レベル問題に触れたい、という場合は、自分が受験自治体以外(他県)の入試問題に手を出すとよいでしょう。
ここまでで「勉強方法と行動」について述べてきました。
「時間をかけて勉強しているのに成果が出ない・・・」という方には、以下の記事がおすすめです。
(※有料記事ですが、無料部分だけでも参考になるはずです)
中1・2生が今からできることは?
入試に向けた勉強方法について、上記でポイントを解説しましたが、「やるべきことが多くてすぐに全部は取り入れられない・・・」という中学生が多いでしょう。
特に受験まで時間のある中1・2生にとっては、ハードルが高いかもしれません。
そういった場合は、「まず毎日学習する週間」「過去に学習したことを振り返る週間」をつけることを優先しましょう。
もう少しスモールステップを踏みたい、という方に向けて以下の方法を書きました。
①毎日10分の勉強を3週間続ける
「よし、明日から毎日勉強しよう」と決めたとしても、新しく始めたことが習慣化するまでは、3週間必要と言われています。
とはいえ、いきなりがっつり勉強すると、大変すぎて3日も続かないケースが多いです。
それなら、時間と量を絞って、「これくらいなら自分でも毎日できそう」と思える学習をしましょう。
10分でできる勉強をしようと述べましたが、入試までずっとそのままでいい、と言うつもりはありません。
毎日勉強することを習慣にできたら、徐々に時間と量を増やしましょう。
②土日に1週間分の10分自習の復習をする
仮に①の毎日10分間の自習を月〜金までやれたとしましょう。
合計50分の勉強ができています。
しかし問題は、50分かけて学習した内容が、どの程度頭に残っているかということです。
先へ進めば進むほど、前に学習した部分は忘れてしまいます。
よって、土日などにまとまった時間がとれるなら、月〜金までに毎日10分学習したものを、もう一度学習しましょう。
たとえば毎日5個ずつ英単語を覚えて、5日間で25個覚えたとしても、最初のほうに覚えた単語は忘れ始めているものです。
せっかく蓄えた知識を忘れてしまうのを防ぐため、いわば「復習の復習」をするのです。
③前の定期テスト範囲を復習する日を決める
定期テストが終わって、比較的余裕があるときに、さらに一つ前の定期テストの復習をしましょう。
夏休み明けの定期テストが終わった後で、あえて夏休み前のテストの解き直しをするイメージです。
これは「いつやるのか」を決めないと、いつまでも後回しにしてしまいますので、復習するタイミングをあらかじめ決めておくのがオススメです。
定期テストの勉強をしていると、そこで膨大な知識を詰め込んだ結果、前回のテスト勉強で得た知識は抜けてしまいがちです。
せっかく頑張ったのに、ほとんど忘れてしまっては、それこそ非効率ですよね。
とにかく「今回のテストを乗り切れればいい」という発想を捨て、いち早く受験生になるための練習だと思ってください。
まとめ
ここまで、「地元の公立高校入試の効果的な学習方法」をテーマにお話をしてきました。
公立入試は、教科書をベースにした問題が出題され、学校の授業がわかっていれば対策が可能です。
しかし、テスト範囲が中3までとなると、非常に膨大であり、短期的に成果をあげるのが難しいのです。
最後に、公立高校入試対策をしていく上での心構えをまとめて終わりたいと思います。
どうか、みなさまの目標が達成できますように。