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読書ログ「ブックオフ大学ぶらぶら学部」

ブックオフはまるでセーフティネットのようだった。社会に行き場のない人たちが集い、カルチャーをなんとか摂取しようとしていつまでも粘る場所。お金がなくても気軽に出入りできる場所は、図書館や新刊書店、コンビニを挙げるまでもなく社会にいくつも存在していたが、ブックオフがそれらの場所と決定的に違ったのは、一〇五円でなにかを手に入れることができる場所であったということだ。
(中略)
それを実際に読むかどうかはさして重要なことではなかった。そうではなくて、どうしようもなく空しい一日のしめくくりに、せめて「ブックオフで○○を安く買えたから今日はいい日だった」と思いたかっただけなのだった。ぼくは。
もちろん、なにも買えるものがないときもあった。そういうときは何度も何度も均一のCD、一〇五円のマンガ、一〇五円の単行本、一〇五円の文庫本、一〇五円の新書の棚を見て、閉店ギリギリまでその日の収穫物をさがした。本とCDは、このとき単なる娯楽ではなく、水や食べ物のように日々を生きるのに欠かせないものだった。

ブックオフ大学ぶらぶら学部
  • 古くてあたらしい仕事」の夏葉社がブックオフの本を出していたので嬉々として買って読んだ。そしてやっぱり「古くてあたらしい仕事」の著者の文章がいちばんよかった。この人の文章たぶんだいぶ好きだな

    • 内容はブックオフのことが好きな人たちのエッセイ集というかんじ。「無限の本棚」の著者もブックオフで仕入れをしているらしいので自分も久々に通いつめたくなった

    • 自分がいちばんブックオフに通っていたのは中学生のときコバルト文庫にハマっていた頃だと思う。四龍島シリーズっていう長編BLライトノベルにドハマりして、毎週ブックオフに通っては1冊ずつ買い集めていた。今思えばほぼ全巻をブックオフで揃えたはずだけどよく集まったな

    • いろんな店舗を渡り歩いて自分の好きな本とか集めているものをちまちま収集していくの楽しそうすぎるけど、ネット書店がこれだけ流行ってしまうと、そういう収集癖みたいなものも難易度が下がりすぎててヌルゲーになってしまっているのだろう。手ごたえはあまりなさそうだけど、ネットでほぼ定価でしか買えないような本がブックオフで割安で買えたら相当うれしいだろうなとも思う。ただ読みたいだけなら図書館でいいだろうけど、物体として手元に残しておきたい(もしくはメルカリ読書的な読み方をしたい)本を安く手に入れられるのは充分メリットだ

    • 旅行のついでにブックオフに立ち寄るぐらいだったら旅費もそれほどかからないしよさそう。こんどひとりブックオフ巡りの旅でもしよっかな

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