『愛知に学ぶ高校野球!激戦区を勝ち抜く方法』 田尻賢誉
2021年現在、夏の高校野球において最多の参加校数を誇る愛知県。その全国屈指の激戦区である愛知県でしのぎを削る7名の指導者に話を聞いて、チーム育成論、練習法、試合中の采配などについてまとめた一冊。
著者は、徹底した野球の現場取材に定評のある田尻賢誉氏。
この本に出てくる7名の指導者のうち、6名は中京大中京、東邦、愛工大名電、享栄といった私学4強の指導者であるが、あとの1名は至学館を率いる麻王義之監督である。
麻王監督の根底に常にあるのが、私学4強をいかに倒すかという考え方であることがまず伝わってきた。
私学4強を率いる指導者は、恵まれた設備や環境を駆使し、“いかに甲子園で勝つか”ということを念頭において指導をしている。
それでも今の愛知県において、どこの高校が甲子園に行くか分からないのは、至学館に限らず各高校の指導者が、情熱を持って指導にあたっているからなのであろう。