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転職失敗談⑤ ダンナがわしのパン食ったし事件。
そんなグズグズとした日々を過ごしていた7月のある日。
ダンナに久々にガチギレした。
それは何故なら、
奴がワタシのお昼用に作っていたサンドイッチを勝手に夜中にもしゃもしゃ食べやがったから(; ・`д・´)。
ワタシは今年五十三になる、立派ではないが大人で、ある。
が~ね((+_+))。
マジで食べ物の恨みったら凄まじいものだと思ったね。我ながら。
朝、起きしなに、
「そういや、パン食ったよ。」
とダンナに告げられて。
前の日ダンナは残業だったので、夜に顔を合わすこともなく。
一瞬なんのパン?と頭が回らなかったのだが、次の瞬間あのパンとこのパンが整合された瞬間、鬼の形相で冷蔵庫を確認しに行ったら、当のパンが見当たらない!!
その日の昼に食べようと、前の日に珍しく手間暇かけて作った、ワタシのためのワタシ用の、特別なワタシのランチがっ!!!!!!!!
・・・叫んだね。
「ギャー!!!信っじらんない!!!!ワタシのパンなのに~~!!!!!」
そうなると、嫁は手が付けられないことを理解してるダンナ。
怒り散らかしてるワタシに何も言い訳もせず、黙~って出勤していったし。
いや、謝れやっ( ゚Д゚)。
ま、そうなるとちょっとやそっとじゃ怒りが収まらないのをダンナは知ってるからなんだけどね。
くだらない。まったくもってくだらない話よ。
けどそのパンは、偶然にもほんとに特別に作ったものだった。
やっぱり職場で唯一自分の時間を取れるのがお昼の休憩時間なわけで。
だからたまにはおいしいもの自分のために作るかぁと、その日に限って気合が入っていたワタシ。
大好きなエビアボカドで、糖質オフのクロワッサンをわざわざ買ってきて、マヨネーズまで手作りした正真正銘特別なランチ。
それをピンポイントでかっさわれたのには、めちゃくちゃボディーブローな攻撃だったんだよ。マジで。
怒りは二日に渡って続いた。
ダンナとは一切会話しなかったが、LINEで長文で抗議文を二度ほど送りつけた。
いかにそのパンが重要なアイテムだったのか。
何故頼まれてもいないのに、お前のためにあんだけ豪華なサンドイッチを作ると思うのか?
人の物に手を付けておいて、ただで済むと思うのか?
くだらなすぎるが、お前の思いやりのなさにほとほと愛想が尽きた。
こんな勝手な男と、老後仲良く穏やかになんて生きていける気がしない。
と、離婚をもまたもや考えたりもした。
ワタシの長々としたLINEに対して、ダンナは返事も返してこなかった。さらにムカつく。
ムカつき過ぎて、二日目の夜に怒りの限界で、
「・・・あんだけ長文書いてんのに、なんか言い分ないんかよ!?」
耳から蒸気が噴出する嫁に、ダンナが返したのは、
「だって、話した方がはえぇじゃん。」
・・・そ。そういう男だったよね。あんた。
けど、こっちはお昼のパン盗まれたくらいで離婚まで考えるくらい、めちゃくちゃ怒ってるのよ。たかが、昼のパンごときで!!!!
くだらなさすぎるとも思うが、そういう小さな思いやりのなさが、積み重なって熟年離婚ってあるのよねって。
けど。
どうやら奴的にも、勝手に食べたわけじゃなかったらしい。
その前日、
「おにぎりもういらないよ。」
と言われていた。
ダンナは現場監督さんなので、朝とお昼用におにぎりを持たせていた。
そろそろ現場が終わるとは聞いていたので、「あそ。」とだけ答えていたんだけど、
最近はぼんやりとしかダンナの話は頭に入らないので、その日がもう終わりなんだと認識してたんだけど、どうやらダンナ的にはもう一日現場に行くんだったんだと。
だから、次の日のおにぎりがサンドイッチになったのかぁ・・・、うまそうだから夜食に食っちゃうかぁ~・・・エビ嫌いなのになんで入ってんだろう?・・・と思いながらの完食だったらしい。
いや、エビ入ってる時点で食うなよ( `ー´)ノ。
わしのだっ!わしのっっ!!
一番怒りに震えた、嫁の弁当を勝手に食ったというのはどうやら誤解だったらしい。
そこまでひどい奴だったらどうしようと思ったんだけど、それは違ったのね。
と、そこで溜飲は下りたんだけど、それでもやっぱついでに溜まったものを吐いてしまえと、口から出たのが次の言葉だった。
「ワタシだってね、ラクな仕事をしてるわけじゃないんだよ。工場勤務って、ほんと大変なんだよ。
そんなの誰だってそうだと思うけどさ、仕事ってみんな嫌な思いしながらやるものなのはわかってるけど、そんでもほんと、今大変なんだよ。
五十も過ぎると誰も優しくしてくれるわけでも気遣ってくれるわけでもないから、小さなことで、自分で機嫌取ってやるしかないんだよ!
そうやって、くだらないことだけど、自分においしいものを作ってあげたりしてなんとかやってきてんの!!
工場長にいつ怒鳴られるかと思いながら、一日中立ちっぱなしでちまきだ~シュウマイだ~作り続けて、お昼だけが自分に還れる時間なわけ。
コンビニで買ったもので済ませたると、もうね、なんかさらに工場の部品になったような気持ちになって滅入るわけ。
だからせめて自分が自分のために作ったものを食べるのが、自分を支える時間なわけよ。
ほんとに大変なんだよ。ほんっとに大変な思いして働いてるんだよ~~~。」
と号泣した。
泣きながら、マジでどんだけ精神やられてんだろって自分でも思ったし。
一頻り大泣きした嫁に、ダンナが言ったのは、
「そんなに嫌なら辞めちゃえば?」
( ゚Д゚)
またも簡単に、厄介なことを言ってくれるよ。うちのダンナ。
と、その時は思ったし。
そんな、嫌だからって簡単に辞めちゃダメじゃね。
大の大人が?
え~?
そんなダンナとのくだらないケンカのおかげで、自分が、思いのほかストレスを抱えていることを認識したワタシ。
そうね。
イヤなら辞めるでもいっか。
そんなことを思った7月の終わりのことでした。