療育手帳取得の記録。
今回の記事は、
息子たちが療育手帳を取得した2021年2月に、別のブログ(現在非公開)で書いた内容について加筆転載しています。
◆息子たちの発達検査歴と決断
兄くんは、幼稚園年長時に初めて発達検査を受けました。
その後、小学校4年生でADHD・ASD(アスペルガー症候群)と診断。
弟くんは、小学校6年生で初めて発達検査を受けました。
検査翌月、ASD・ADHDと診断。
ばるもち家では、療育手帳を取得するかどうかについて、長い間結論を出せずにいましたが、昨年の秋、最終的に取得を決断しました。
取得を決めた最大の理由は、将来の選択肢のひとつとして障害者枠(知的障害)で就職するという道を確保するため、です。
(精神障害者保健福祉手帳でも精神障害者として障害者枠で就職することができますが、今回は療育手帳を取得することを選びました。今後、必要があれば精神障害者保健福祉手帳の取得も考えていくつもりです。)
手帳取得の決断当時、兄くんは高校2年生でした。
兄くんは高校1年生で不登校になり、高校2年生で転学。兄くんと家族は、それぞれが自分やお互いと向き合うための時間を過ごしていました。
兄くんの気持ちが少しずつ落ち着いてきて未来の話を受け入れてくれるようになった頃、私から兄くんに提案する形で療育手帳の取得の話をしました。
◎手帳を取得するということは、決して兄くん自身や、兄くんの未来を決めつけるものではないこと。
◎就職先として障害者枠を選択できるようになること。
◎困った時に頼ることができる先(福祉サービス)と繋がりやすくなること。
この3つを中心に話し合い、取得することを決めました。
弟くんについては、まだ障害の告知をしていないこと、いずれ兄くんと同じ理由で手帳を取得するつもりでいることから「お兄ちゃんと一緒に検査してもらいに行くよ」とだけ伝えました。
ですので、弟くんは、自分が療育手帳の交付を受けていることを知りません。今後タイミングを見計らって伝えていくことになります。
◆療育手帳とは?
今回、兄弟が申請したのは療育手帳です。
療育手帳は知的障害を対象とする障害者手帳です。
判定基準は都道府県(一部政令指定都市)によって異なります。
多くの自治体では、判定機関での判定検査時にIQ70(もしくは75)以下に該当し、その他要件を満たすと、知的障害があるとされ、療育手帳の交付対象となります。
したがって、知的障害を伴わない発達障害の場合は療育手帳ではなく、精神障害者保健福祉手帳の交付対象となります。(精神障害者保健福祉手帳の申請手続については今回の記事内容と異なります)
ばるもち家の居住地では、自治体の方針として、IQに関係なく、発達障害の診断がついていれば療育手帳を申請することができます。全国的には珍しいケースになります。
◆療育手帳の申請手続き
療育手帳の申請は市役所の障害福祉課窓口で行いました。
窓口では、書類の記入と、ごく簡単なヒアリングがあり、印鑑も必要でした。私の確認不足で証明写真を準備していなかったのですが、判定日に判定機関で渡すということで受理してもらえました。
必要になるかと思って、別件で作成した診断書のコピーや、直近の発達検査の結果のコピーを持参していたのですが、特に確認されませんでした。(判定機関には判定日に提出しました)
主治医には、事前に療育手帳取得についての相談はしませんでした。
わざと相談しなかったわけではなく、療育手帳取得の一連の流れがスムーズに進んで行ったため、気がつけば主治医には結果的に取得後の事後報告になっていたということです。
療育手帳の取得や更新の希望者が多く、更にコロナの影響もあり、判定日は3ヶ月程度先になると伝えられました。私の方からは、多少遅くなっても構わないので兄弟を同じ日にしてほしい、という希望を伝えました。
※自治体によって、また、年齢によって、療育手帳の申請に必要な持ち物やルールが異なります。必ず事前にお住いの市区町村役場の担当課(障害福祉課など)や自治体ホームページで確認してください。
◆判定する場所と持ち物
役所の担当課で療育手帳取得の申請をしたのが、2020年10月中旬。判定日が決まったという連絡があったのは年を越して1月下旬。申請から3ヵ月と少し、やっと判定の日を迎えることができました。
申請時に、3ヶ月程度の待ち期間があることは説明されていました。が、長かったですね…。
判定日の通知は、判定機関となる”こども家庭センター(児童相談所)”から封書でありました。
封書には、子どもについての調査書(成育歴など)が同封されていて、判定日に持参するように案内がありました。
<判定日の持ち物>
・同封されていた調査書
・母子手帳
・発達検査等の資料や診断書等(1年以内のものがある場合)
・写真(申請時未提出のため)
ばるもち家の居住地では、療育手帳交付の判定行う場所は、18歳未満と18歳以上で異なります。
兄弟ふたりとも18歳未満なので、今回は”こども家庭センター”(児童相談所)で行いました。18歳以上は”県立知的障害者更生相談所”になるので、兄弟とも更新時にはこちらで判定してもらうことになります。
◆判定日当日の流れ
1.受付で検温とアルコール手指消毒
2.知能検査担当者さん(2名)と成育歴担当者さん(1名)とご挨拶
3.兄弟各々に1人の検査担当者が付き、それぞれの検査室(個室)に移動
4.兄弟が検査室に入ったことを確認後、私は別室で成育歴聴取
5.兄は約70分、弟は約100分で検査終了(成育歴聴取は2人分で約80分)
6.約30分の待ち時間後、判定結果を聞きに私だけ別室に移動
7.口頭で判定結果を伝えられる
8.手書きの簡易的な判定結果メモを渡してもらう
9.今日の正式な検査結果を後日郵送してもらうための書類を記入し、終了
※判定日当日の流れや知能検査の種類は、自治体によって異なります。医師の診察を行う自治体もあるようです。
◆判定の結果
兄弟どちらも療育手帳の取得が認められました。
ふたりとも、発達障害で療育手帳の取得理由を満たしているので、取得が認められたのは予想通りの結果ではありました。
が、判定の結果、
兄くんの取得理由は、発達障害。
弟くんの取得理由は、軽度知的障害。
正直言葉を失いました。
え、知的障害?
弟くんが、知的障害????
私たちの居住地のように発達障害だけで療育手帳を取得できるのは、全国的にみても、ごく限られた自治体だけです。
直近に行った発達検査での弟くんのIQは、いわゆるボーダーと言われる知的境界域という認識でした。ですので、私は弟くんも発達障害を理由に取得するつもりでいたのです。
ところが、
今回の判定で出された弟くんのIQは、それをかなり下回る数値でした。他の自治体であったとしても療育手帳の交付が認められる数値です。
◆つきつけられた現実
弟くんが、それほどまでに大変な思いをしていたことに気づけなかったことへの、母としての自責。
ずっと、ずっと、ずーっと、
家でも学校でも、親子ともども、はちゃめちゃなのは兄くんでした。
弟くんは、家でも学校でも、凸凹の片鱗はありつつも、比較的中庸に過ごしていました。
弟くんが小学5年生になった頃から、少ししんどそうだなぁという姿を見ることが増えてきて、冒頭の発達検査を受けていました。
そっか、
軽度知的障害か…
そっか、
弟くんは、すごく頑張ってくれていたんだ…
母親として、兄くんの育児で、凸凹くんへの接し方の経験があったぶん、弟くんへは無意識に凸凹へのフォローができてしまっていて、ここまで、なんとなく、歩めてしまっていたのかもしれません。
きっと、弟くんが第1子だったら、もっと早い時期に発達相談をしていたんだと思います。
兄くんの大変さが大変すぎて、弟くんに発達の凸凹を折々感じながらも、まだ様子見段階だと、勝手に判断していたのです。
弟くん、気づかなくて、本当にごめんね。
お母さんは、君を知るための大きな手がかりをひとつ手に入れたよ。
◆ばるもちのキモチ
療育手帳を取得したことで、兄弟ふたりとも福祉サービスに繋がりやすくなりました。
療育手帳で広がる選択肢、きっと今まで以上に試行錯誤になると思います。
頑張るだけじゃ無理、
頼るだけも違う、
投げださず、
力を抜いて、
深呼吸。
一歩一歩、進んで行こう!
そうは言っても、いっぱいいっぱいで、泣きそうになったりもするんですけどね。
ふたりの療育手帳の次回更新は、それぞれの20歳の誕生月です。
次回の更新を最後に、以降は更新不要になるとのこと。
更新のお知らせは特に無いので、忘れないようにしなきゃ。
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