バレット

猫です。基本はTwitterに生息しています。 https://twitter.com/Barrettm95sp

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最近の記事

懐かしの大阪都構想を、敢えて今おさらいしてみる

〜本記事について〜 ・本記事の内容は、拙稿の一部、大阪府・大阪市「第2回特別区制度 (いわゆる「大阪都構想」) に係る住民理解促進のための意見交換」(2020年9月7日開催) 委員提出資料を、2021年末に自ら加筆・再構成したものです。 はじめに 今から遡ること53年、東京都の東 (あずま) 知事らは、大都市制度のあり方について意見を乞うため、英国を代表する行政学者ウィリアム A. ロブソン LSE教授を日本に招聘した。ロブソンはかつて著書『世界の大都市』の中で、都市は大き

    • 地域保健の人的リソース量をみるための3統計

      ※追記:先日10月1日に保健師活動領域調査の最新版が公表されました。すでに集計済みなので以下ファイルを近日再アップします はじめに  先の新型コロナウイルス禍において、地方自治体、とりわけ地域保健・公衆衛生部門の人的リソース不足が繰り返し取り沙汰されたことは記憶に新しいでしょう。しかしそれを伝えるメディアの報道や識者の言説の中には、誤った認識に基づくものが多くみられました。その一因と考えられるのが、「地域保健の人的リソース量をみるための統計」が複数存在しており、そこから実

      • 【緊急投稿・前編】「特別区のコストが年200億円増えるんやて? 知らんけど。」問題

         いや、そんな大事な話、「知らんけど。」じゃあかんやろ問題、です。  最近 note 始めてみたものの (事前の予想通り) 評判が芳しくなく、早くも放置プレイになりつつありましたが、今回ちょっと言わずにはおれない。ただし時間ないのでいつもの注釈や参考文献はバッサリ省きます。  早速本題へ。  そもそもの発端は、以下の自民党大阪市会議員団のチラシにも書かれているように、いわゆる大阪都構想 (以下、都構想と略す) には行政側が示しているコスト以外に追加のコストが発生する、その額

        • 大阪都構想について考える ②「私、失敗するので。」〜後編

           前編では、行政は時に失敗する、だからそれを織り込んだ制度、失敗に気づいたとき速やかな軌道修正が可能な、一元化された合意形成・意思決定のシステムが必要であり、大阪都構想による広域行政の一元化はそれに寄与することを述べました。 〜前回のおさらい〜  赤と白 2種類の玉が 1つずつ入った中身の見えない壺がある。① その中から玉を 1つ無作為に取り出す、② 赤玉が出たならもう 1つの赤玉を加えた 2つの玉を壺に戻す (白玉が出たなら白玉を加えた 2つを戻す)、③ 壺の中は赤 2

          大阪都構想について考える ②「私、失敗するので。」〜前編

           8年前にスタートし高視聴率をマークしていた人気医療ドラマの決めゼリフ、「私、失敗しないので。」  視聴者は毎話、「人の命」を預かる外科医がさまざまな困難に卓越した「手技」で挑み、必ず成功裏に終わる予定調和にカタルシスを得ます。  同じように私たちは、「住民の納めた税」を預かる行政がさまざまな課題に適切な「政策」で挑み、必ず成功裏に終わることを期待しています。  しかし現実の行政は人気ドラマと違い、制度や政策は失敗と試行錯誤の繰り返し。絶対に失敗しない首長・議員・官僚など

          大阪都構想について考える ②「私、失敗するので。」〜前編

          大阪都構想について考える ①高すぎる二元行政のコスト

           11月 1日に再び実施される運びとなった、いわゆる大阪都構想 (以下、都構想と略す) の住民投票。そこであらためて「なぜ都構想なのか」を考えていきたいと思います。第一回は、高すぎる二元行政のコストと、それを廃すべき理由について考えます。 「二重行政」ではなく「二元行政」の問題 都構想の目的として、みなさん最もよく耳にされるのは「二重行政の解消」ではないでしょうか。  しかしこの言葉から、今ある公共施設や住民サービスが二重行政の名の下にカットされてしまうのでは?と不安を抱く

          大阪都構想について考える ①高すぎる二元行政のコスト