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青黒コントロールのフィニッシャーのあれこれ

割引あり

挨拶

こんにちは。みやむーです。
関東で大体青黒のデッキを回しています。現在はほぼパイオニアを専門にプレイしており、TLSQで上位入賞など、晴れる屋には定期的にリストを載せたりしています。ブログを書いたりDiscordサーバーを作ったりといった活動もしています。

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始めに

パイオニア環境では青黒コントロールは現在、いわゆるテンプレートと言われるような構築が存在しません。そもそもの使用者の人口が少なく、各々がそれぞれのデッキリストを使っている状況です。

また、青黒コントロールには青白コントロールにおける《ドミナリアの英雄、テフェリー》や《放浪皇》のように定番となっているフィニッシャーが存在せず、様々なカードが用いられています。

実質3マナ
軽いし瞬速もある

この記事では青黒コントロールで使われているフィニッシャーについてあれこれ紹介しつつ考察していきます。パイオニアのチャレンジャーデッキのディミーアコントロールを購入した方や青黒コントロールを使っている方など、青黒コントロールに興味のある方に読んでいただきたいと思います。

インスタントタイミングで繰り出すフィニッシャー

パイオニアの青黒コントロールではカウンターを構えながら瞬速等でインスタントタイミングに隙無く展開できるフィニッシャーを用いるデッキが古来から存在します。

サメ台風

登場以来青系コントロールの定番となっているカードがサメ台風です。

サメは空を飛ぶもの

そのサイクリング能力で構え合いで強く、余ってる除去がサメに飛んできてもカードアドバンテージの面で損しないのが強みです。《死人に口無し》の証拠収集6と相性が良いのも追い風です。またエンチャントとして普通にキャストするのも強く、定着すれば戦場をサメの群れで制圧できます。

総合的に見て、取り回しが良く使いやすい上にカードパワーも十分あるのがこのカードの強みで、現在青黒コントロールで最も採用率の高いフィニッシャーです。このカードだけだと圧力が少し足りない事が多いので、他のフィニッシャーと併用するのが標準だと思われます。

奔流の機械巨人

カラデシュのスタンダード以来の青系コントロールのフィニッシャーとして定着しているカードです。

デカ瞬唱の魔道士

インスタントタイミングで5/6の巨体が出てくるだけで圧力がある上に、出てからカードアドバンテージが約束されるので、攻められている盤面から巻き返す力が物凄く高いフィニッシャーです。パイオニアでは《時を越えた探索》が使えるのも追い風で、決めれば「少しオーバーキルじゃないか?」と思ってしまう程のアドバンテージが取れます。

欠点としては《神秘の論争》に弱く青系のミラーで足を引っ張る可能性があること、墓地対策が致命的ではないにせよ効くこと、単純に6マナは重いこと等があります。特に6マナという重さをフィニッシャーに要求することは大きく、相手のデッキよりかなり多い土地の枚数を必要とする事になります。その為このカードを使う事によりデッキ全体のマリガンに対する弱さや必要なリソースの多さに繋がってしまうので、このカードだけをフィニッシャーとして沢山入れるのはリスクを感じます。

船砕きの怪物

近年の青系コントロールミラーを破壊するフィニッシャーとして君臨するカードです。

通称シャコ

打ち消されない上に単体除去に対してもインスタントを添えておく事で自分が手札に返るので間接的に耐性があり、定着すれば打ち消し合戦で圧倒的優位に立てるカードです。タフネスも高く赤いデッキにはほぼ除去されません。青系コントロールミラーで強いという性質からサイドボードにいることも多いです。

欠点としては7マナと《奔流の機械巨人》以上に重すぎることや、黒い除去に元来弱いこと、白い除去に対しても最近は《失せろ》の登場でこのカードが対処されるケースも増えてきた事が挙げられます。特に近年白い除去が強化され対処されやすくなったので、青白コントロールに対する信頼性が落ちました。そのため以前よりは採用するバリューが下がってきています。

思考への侵入

カルロフ邸殺人事件からはこのカードです。

ドロソ+トークン

あまり採用実績はありませんが個人的には採用圏内のカードだと思っています。このカードについては過去の記事で述べているのでそちらを参照してください。

一日のやり直しコンボ

パイオニアでは「相手のドローを咎めるカード」+「《Timetwister》のようなカードを大量に引き直させるカード」の組み合わせで、自分の手札を補充しつつ相手の手札を枯らして勝つタイプの、コンボデッキ寄りの青黒コントロールが存在します。

使ったことは無い

相手のドローを妨害するカード

多くの場合コンボパーツの片割れは《覆いを割く者、ナーセット》になります。

灯争大戦ってすごい

単体で手札補充を兼ねており、相手のキャントリップを妨害するエンチャントのような働きをしながら、コンボパーツにもなれる点が強みです。コンボ関係なくイゼットフェニックスの各種キャントリップ、青白コントロールの《ドミナリアの英雄、テフェリー》、5Cニヴ=ミゼットの《豆の木を登れ》など、ナーセットの能力で相手の動きを厳しく妨害できるマッチアップが存在します。プレインズウォーカーなので殴って落とされると弱くなりがちですが、相手がアグロデッキでも最低限1度は能力を起動しつつ3点ダメージを受けられるので完全に腐る事はありません。

そういう訳でフィニッシャーでなくとも普通の青黒コントロールに妨害用置物兼ドローソースとして採用されるこのカードですが、《一日のやり直し》によるコンボが入っていれば必要に応じてコンボパーツになります。また《ガイアー岬の療養所》でドローロックをして相手を詰ませる役割も果たします。

コンボパーツの片割れ
土地もコンボパーツ

相手のドローを妨害するコンボパーツとしては他にも《概念泥棒》等が使われますが、ナーセットに比べると単体のカード1枚の強さに欠ける為、採用枚数は控えめなことが多いです。

ボディが貧弱なのが欠点

少し話がそれますが、ナーセットや概念泥棒での妨害能力が刺さると強力であるため、一日のやり直しコンボ型の青黒コントロールはこれらの能力が有効であると考えられるメタゲームである場合に使うのを推奨します。具体的に言えばイゼットフェニックスや青白コントロールが多い環境、等です。逆に使用が推奨されない環境はアグロが多くナーセットが戦闘で落とされてしまう環境でしょう。

Timetwister系のカード

沢山引き直させるコンボパーツは、よく使われているものは《一日のやり直し》です。ナーセット等がいれば相手の手札を強制的に減らしつつこちらの手札が増えターンを強制終了します。

最近手に届きやすい価格になってきた

コンボパーツとしては軽めですが、単体でカードとして強いナーセットと比較するとコンボ無しでは撃ちにくい為カード1枚としては弱めです。

相手のデッキタイプによっては、こうしたコンボカードをサイドアウトしてナーセットのみ残し、普通の青黒コントロールとして立ち回る方が良い場合も結構あるのがプレイする上でのポイントです。決まると気持ちいいコンボなのでついつい決めたくなりがちですが、「このマッチアップでは《一日のやり直し》は必要なのか?」と検討してからサイドボード後の対戦を迎える方が良いでしょう。

それ以外の《Timetwister》系のカードでは、《暗記//記憶》が良く用いられています。

両方とも味のするカード

コンボパーツとしては《一日のやり直し》より重いものの、《暗記》がカード1枚分としてそこそこ強く、墓地に落ちたらコンボパーツになるので実質カード2枚分なのが強みです。また《暗記》がインスタントである為、《奔流の機械巨人》で《暗記》《記憶》のどちらかをフラッシュバックできるという裁定が出ています。この使い方だと《記憶》を相手のターンに撃てるのでナーセット等とのコンボが決まると(相手の通常ドローで既に1枚引いているので)相手の手札が0枚になる強みがあります。

クリーチャー系のフィニッシャー

メインボードで用いられる場合もありますが、多くはサイドボードでの採用になります。青黒コントロールはメインボードにクリーチャーが少なく、サイドボード後にクリーチャーのフィニッシャーを追加するアグレッシブサイドボーディングをする場合に追加することが多いです。コントロールデッキでクリーチャーを採用すると、相手の余っている除去が飛んできて有効活用されてしまう欠点があるからでしょう。

黙示録、シェオルドレッド

程よい軽さと制圧力を持ち、単体のカードパワーなら青黒で使えるフィニッシャーの中でも随一のスペックを持つパワーカードです。

パイオニア最強クリーチャー

それにも拘らずメインボードでその姿をあまり見ないのはクリーチャー除去に弱く、タフネス以外の除去耐性が無いからであろうと思われます。除去を相手が使い切ってから出す方が強いので、どちらかと言うと青黒コントロールより多少クリーチャーが多めのデッキの方が真価を発揮しやすいと考えています。

青黒コントロールでは特に対アグロに対してサイド後に制圧するクリーチャーとして運用するのが良いでしょう。攻め手としても優秀なのでロータスコンボ等にサイド後ぶつけていくプランも有り得ます。

ゲトの裏切り者、カリタス

パイオニアの青黒コントロールでは伝統的なアグロ対策としてずっと使われているカードです。

最近シェオルに押されがち

《黙示録、シェオルドレッド》と役割が近く、どちらかと言うとクリーチャーデッキに対してサイドボード後に入れるカードですが、イゼットフェニックスやアブザン探検等の除去したクリーチャーを追放する効果がよく効くデッキに入れやすいという差異があります。シェオルドレッドに比べ、より対アグロに尖った性能のカードという印象です。

金属の徒党の種子鮫

こちらも青系コントロールではよく見るカードです。

アグレッシブサイドボーディングの鬼

3マナと軽くて隙が小さく、サイド後に出してアグロ相手にはブロッカー、コントロール相手にはクロックとして置き、トークンを増やしていく効果で盤面を制圧していきます。除去できなかったら勝ちにかなり近づくので優秀なサイドカードでしょう。《ゲトの裏切り者、カリタス》や《黙示録、シェオルドレッド》と役割が被っている部分もありますが、クロックとしての圧力も見逃せないポイントです。

スカラベの神

強力な除去耐性と制圧力のある神です。

除去耐性+制圧

その耐性から赤や黒の除去に強く出ることが出来、対ミッドレンジ等では大半の除去では根絶されず、残ったら勝利できる文字通りのフィニッシャーになります。

欠点は追放を含む白い除去やカウンターに弱いことと、相手がクリーチャーをあまり入れておらずこちらのデッキもクリーチャーが少ない場合運用しにくいことが挙げられます。これらの欠点から、青白コントロールにあまり強くないカードです。青黒コントロールで使う際には相手がアグロかミッドレンジの時にサイドインして使うのが無難でしょう。

最深の裏切り、アクロゾズ

除去耐性とライフゲインとアドバンテージを兼ね備えた神です。

除去耐性+ライフ回復

立ち位置はスカラベの神に近く、破壊に対する耐性を持ちますが、墓地にクリーチャーがいなくても機能することや攻撃時に相手へのハンデスが付いていることでコントロールに対しても悪くない動きをするのが特徴です。クリーチャーがほとんど入っていない典型的な青黒コントロールで使う分にはこのカードの方がスカラベの神より使いやすい場面も多いと思われます。

ただしサイドボード後は相手が除去を減らしやすいのが想定されるので、その目で見るのであれば1マナ軽い《黙示録、シェオルドレッド》や《ゲトの裏切り者、カリタス》の方が使いやすいという判断になる場合もあるでしょう。このカードに関しては除去耐性があることでメインボードから入れやすいなど、差別化をしていきたいところです。

プレインズウォーカー

ヴリンの神童、ジェイス

表面がクリーチャーですが条件を満たすと強力なプレインズウォーカーに変身するカードです。

とにかく軽い

2マナと軽く、設置するのに非常に隙が少ないのが魅力です。変身条件自体は緩く、青黒コントロールなら特に構成を寄せなくても容易に変身できるでしょう。墓地からインスタント・ソーサリーをフラッシュバックするのはソーサリータイミングに限られるので、出来ればカウンターではなくハンデスがデッキに入っているのが望ましいです。《思考囲い》や《真っ白》等を併用するのが良いでしょう。

カードパワーは高いのですが、出してすぐは0/2の貧弱なクリーチャーに過ぎず、相手の余ってる除去に当たりやすいので基本的には専らサイドボード用のカードです(一部メインに入れているリストも存在します)。環境的に言うと、最近はラクドスミッドレンジがラクドス吸血鬼に入れ替わっているメタゲームになってきているので、このカードの天敵であった《砕骨の巨人》が採用率を落としてきているのがかなり追い風です。個人的には以前は《踏みつけ》に当たるクリーチャーが採用圏内になることはないと考えていましたが、今ならかなり強く運用できそうだと考えています。

不笑のソリン

フィニッシャー級のプレインズウォーカーの中では比較的軽い4マナのプレインズウォーカーになります。

受けに回ると弱い

悪くはないのですが、自分のライフを削ってドローするのがコントロールデッキの方向性にあってないこと(青黒は伝統的にライフが厳しい)や、マイナス能力でトークンを出すので攻められているとかなり弱いカードになってしまうこと、4マナ域に《黙示録、シェオルドレッド》のようなライバルが多いことなどでどうしても評価が低くなってしまいます。

ただこのカードをメインボードに入れる分には、シェオルドレッド等のクリーチャーと違い、余ってる除去で適当に退場させられるだけのカードにはならないので、そういった意味での採用は有り得ると思います。

悪夢の詩神、アショク

よくいる5マナのプレインズウォーカーでは一番強いと思われます。+1能力でスタッツの優秀なトークンが出てくるので攻めにも守りにも使いやすいです。マイナス能力も最低限目先の脅威を弾く用途に使えますし、奥義はゲームに勝ちます。

重いだけあってパワフル

このカードの欠点は単純な性能ではなく、5マナでソーサリータイミングという大ぶりで隙の大きいアクションをどこまで許容出来るかにあります。実質3マナで出てくる《ドミナリアの英雄、テフェリー》等に比べると差は歴然です。ゲーム中に何度もこの大ぶりなアクションをしていると敗北に繋がりやすいので、このカードを採用するとしても採用枚数は控えめになっているケースが多いです。

終わりに

ここまでお読みいただきありがとうございました。有料部分ではおまけとして最近作ったデッキとそれへのコメントを載せておきます。それでは。

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