梅雨(if I was dead )
濁ったプリズムに夜を透かし
何にも見えないのは僕らの未来
逆さまに伝う雨粒に意味を与えても
間違えた物理は、今
光のように元素的に有り触れる
ほら今馬鹿にされた価値が
紛い物だから手に入る時代
拝啓猫背の僕らの未来
不思議な要素は絶え絶えの未来
晴れて令和は三年パンデミック済み
毎日地震も梅雨入りの加速も
好きな人に告白しなきゃ
明日形あるものは無と帰すかもしれん
前略猫背の僕らの未来
不意に欠損した体の一部も
上の階の住人の歩く音程の騒音
一人前に体を重ねた夜
大切な人を亡くした夜
明日を望まない夜
宇宙の一部を感じた夜
宇宙の一部でもない夜
だから獣になった解き続けた夜
ただ満月に欲情しただけ
貴方が唯一ではない
僕は底辺の記憶装置
深夜の集中力を使い倒して
目的地を情報で破壊する
今夜だけ
明日朝には雨に溶ける独りぼっち
だから今夜だけ
明日朝には修正プログラム
だから今夜だけ
懐かしく生命を感じさせて
価値を感じさせて
高層ビルのない闇夜に