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黄泉比良坂

甘い水を飲まされた
あれは若かりし頃の生でも食える
若葉の頃
飛ぶなってその向こうは奈落で
その背筋に覚悟は無い

大人達に嬲られた
言ってた君もいい大人になった
マスクの下で伸びている鼻毛
しかも枝毛
それだって好きって受け入れる人が居たら
幸せって歌えるんじゃない?

答えを急く歳になる
漠然としていた不安は現実を散らす
今まで死ななかった事が不思議だが
居なくなった人だって片手を超える
まだ吐いてない言葉もある
成功より失敗が多くて
未だに他人のものが欲しくなる

止めてほしいし楽になりたい
あの庭木が綺麗な一戸建てに住めば
大体治る病気でもない
若い頃の天才は今や地に落ちて汚れてる
瞬きを忘れて蟻が餌を運ぶのを見ている

だが僕は君を覚えている
特異な発想で肝が冷えた日も
想像を超えた笑いを与えてくれた
僕は君を尊敬していた

手を取る未来があれば
この人生も面白くなると
夢想しては締め付けられる
気持ちさえ嬉しかった

海外の小さな絹で出来た人形
八つ当たりの捌け口にもなりやしない
幸せな歌は生まれて不幸を照らし出した
未だに誰かを羨ましいと靴元を見る
誰も生き方を教わってないから
野良猫の親子すら羨ましい

甘い水が誘う蛍は
音の鼻先をかすめて音階を変えた
ぬいぐるみのモデルには匂いがあるように
現実に手を伸ばし
生きる為に動き出せ

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