強めで甘い5

No.067【ツァリーヌ】

アプリコットの甘い香りとベルモットのハーブ感がウオッカで引き締められた、気品ある美味しさです。


《レシピ》
・ウオッカ・・・・・・・・・・30ml
・アプリコットブランデー・・・15ml
・ドライベルモット・・・・・・15ml
・アンゴスチュラビターズ・・・1dash
●ステア

ツァリーヌとは女帝のことで、ロシアの女帝〝エカチェリーナ2世〟をモチーフにしたのでは?と云われますが詳細は不明です。

使用するアプリコットのお酒は〝アプリコットブランデー〟と言います。しかしこれはブランデーではありません。あんずのリキュールなのです。
あんずを原料にしたブランデーはヨーロッパ各地で造られていて、ハンガリーなどでは〝パーリンカ〟の名で流通しています。

ちょっとパーリンカの話していい?
私の好きな映画作品に〝サタンタンゴ〟があります。ハンガリーのタル・ベーラ監督による7時間18分の傑作。作中で度々登場するのがパーリンカなんです。原料のフルーツの香りが広がる〝大人の味だけれど粗悪な安ブランデー(と思われる)〟を町医者や村人があおるんです。観る度に飲みたくなるんですよねえ。
現地で売られているパーリンカはメチルアルコールの含有量が高いので、日本では飲料用酒として輸入販売ができないのです。最近は条件をクリアしたものだけ日本でも入手可能となっているので、皆さんもサタンタンゴを観る際にはパーリンカを飲みながらどうぞ。

そんな話は横に置いておいて、カクテルブックなど日本で目にするアプリコットブランデーの文字は、ほぼ全てが甘いリキュールを指しています。紛らわしいですよね。ツァリーヌを作るときには間違えてパーリンカを加えないでくださいね。

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