強めで甘さ控えめ35
No.053【ブラッドアンドサンド】
『血と砂』なんだか物騒なタイトルの映画が1922年封切られました。
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《レシピ》
・ウイスキー・・・・・・・・・・15ml
・スイートベルモット・・・・・・15ml
・チェリーリキュール・・・・・・15ml
・オレンジジュース・・・・・・・15ml
●シェーク
血と砂はイケメン俳優ルドルフ・ヴァレンチノが闘牛士に扮する悲恋の物語。
物語のラスト、道を踏み外した男は気もそぞろに闘牛に挑み命を落とします。闘牛場の砂に彼の血が染みるのです。
スペインの文豪ブラスコ・イバニェス原作のこの作品に寄せて作られたと思われるカクテルがブラッドアンドサンドなんです。
1930年に刊行された〝サヴォイカクテルブック〟にて知られるようになりました。
その色味は赤茶色で落ち着いていてまさに砂に染みた血のよう。
しかし味わいはと言うと甘味があり穏やかで優しいのです。そう、それは闘牛士の後悔と自責と愛する妻への思いを表現しているのだ、と私は思いました。
どうぞ、作品の鑑賞後にグラスを傾けてみてくださいませ。