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2022年に乗った船、行った島④ 隠岐

④隠岐(11月)

・くにが
・おき
・内航船

広島出張にくっつけて、中国地方をぶらぶらしようかと思っていたら出張がなくなり、出張後に旅行しようと思って休みを取っていた5連休だけが残った。
そこでふと、これだけ日程があれば、いつか行こうと思っていた隠岐への渡航+大山登山が一度に叶うじゃないかと思ったのだ。
そんなわけで隠岐にいる大学の後輩R君と5月に柳川で出会ったS君に連絡(その時、秋頃にインターンで隠岐に行くと言っていた!)。奇しくもS君はつい先日隠岐に来たばかり、なんてナイスタイミング。

前日は米子で会社の同期と飲んだ後境港に移動。ちょっとこれは忙しかった!
米子と境港での滞在がそれぞれ中途半端になってしまったことが悔やまれる。前日、倉吉まで行ったので、明らかに欲張りすぎ。

境港で1泊して、朝少しだけ街を散歩する。「水木しげるロード」と「おさかなロード」という、歩くとちょっとおもしろい2本の通りがある。
しげるロードは夜がより良かった!朝は妖怪たち、全然怖くなくてかわいらしいけど、夜歩くとなかなかに世界観に没入できる。
おさかなロードにはめちゃくちゃリアルなおさかなが点在していて、地味だけどクオリティが高くて、思わず立ち止まる。

対岸はもう松江市で、そこへとつながる境水道大橋が立派で良い感じ、時間があったら絶対歩きたかった。

バスで七類港まで向かい、最初にまず西ノ島に立ち寄ることにしていた。
電動自転車を借りて島中を走ってみる。全然自転車で走っている人はいなくて、それもそのはず、標高差が300mくらいあって、たとえ電動でもなかなかきつい。車で通り過ぎようとした地元の人が、わざわざ減速して窓を開けて「よく上ったねえ。ガッツあるね」と声をかけてくるくらいには、ハードだった。

いやいや、電動自転車を港で貸し出している時点で、いけるものだと思うじゃん!と泣きたい気持ちになったけど、天気よし、風もほどよし、コンディションは絶好で、車だったら一瞬で通り過ぎてしまうようなところにも少しずつ立ち寄れたから、自転車でよかった、と思う。

馬や牛がとても近くにいて、牛は崖から落ちそうだったけど大丈夫だったし、馬はホントに「ヒヒーン」と鳴いていて、誰かの夢の中みたいなところだった。

翌々日、知夫里島は後輩氏に車で案内してもらったのだけど、同じような地形で、確かに自転車に乗っている女の子がいたら褒め称えたくなるかもしれない、と思った。でもよくよく辺りを見回してみると、道路が通っているだけで、あとは普段登山で行く山と大きく違いはないなと思ったし、登山の時は徒歩で標高差1,000mくらいを歩いているので、そっちの方が全然タフだった。

夕方に内航船に乗り中ノ島へ。東京生まれ東京育ちの後輩が、とても素敵に暮らしを営んでいる様子にいろいろ刺激を受けた。何でもやってみればけっこうできるし、役割ができると居場所ができて、仲間も増えるし、楽しいことはないなら作ったらいいし、という考えが、彼の話のいろいろなところからうかがえて、ホントそうだよねと思う。

5月に五島に行ったときには、島での暮らしを「知らない世界」と感じたけれど、それを踏まえて行った隠岐では想像の範囲内に変わっていたのがおもしろかった。何かを知るってこういうことだよな、と思った。

彼と知夫里島に行くとき、船の出航時間のギリギリになっても港に現れずすごくハラハラしたのだけど、内航船ってバスみたいなノリで乗れるのね。出航時間にそこにいれば大丈夫なのだ、船もいろいろあるなあと思った。

帰りのフェリーでは、まるでお手本みたいな夕日が見られた。都内の大学で一緒に過ごしていた子の今の日常がこれなんだと思うとすごく不思議な気持ちだったけど、彼はこの場所をすごく気に入っているようで、そう思える土地との出会いってただ偶然で、そんなアバウトなもので世界って案外回っているよねと、最後に考えたのだった。

つづく。

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