115 ユウキ、高校辞めるってよ

17歳になったばかりの寒さのピークが少し落ち着いてきた2月の終わり頃に、ボクの高校では期末テストが迫っていた。

友達のユウキはあまり成績が良くなく、当時の言葉で言うとヤンチャ系だった。スポーツ推薦で入学した僕たちは3年間クラスメイトが一緒で、留年すると自動的に退学になる決まりだった。

ヤンチャ系のユウキだが、自分は決してヤンチャ系ではない。出席番号が近いから最初はいじられて?次第に仲良くなっていったような感じだ。

ダイキの退学に続き、ユウキは単位が足りずに留年の危機に陥っていたのでなんとしても阻止しなければということで、ユウキの家で泊まり込みで勉強を教えることになった。

20時頃にユウキの家に到着してから勉強を始めて2時間くらい経っただろうか。案の定勉強に飽きてきたユウキは同じクラスメイトのガンちゃんを呼び出し、カラオケに行くことになった。まぁこうなることは想像はしていたが2時間の勉強だけでもユウキにとっては大きな一歩だったのでヨシとして、一緒に遊びにいくことになった。

ガンちゃんが来たので、ユウキの原付に××でカラオケボックスへ。
1時間ほど歌って、ユウキが地元の友達に連絡した。ここで初めて知ったのだがユウキはヤンチャ系なんて可愛いものではなく、地元で有名なドヤンキーだった。

10人くらいがバイクで集まり、そこからそれぞれ××に乗ってゲームセンターに移動。初対面の人の××に乗せてもらう××はなんとも言えない背徳感があった。ゲーセンで××時くらいまで一通り楽しんだあと、ユウキの家に帰ることになったのだが、ユウキの原付に××して帰ることになった。
その帰り道になんと覆面××とすれ違い、通り過ぎた刹那、急ターンで僕たちを追いかけてきた。ユウキはナンバープレートに××をしていたので××されることなく小道を慣れたハンドルさばきで振り切ってなんとか家に到着した。
この時の思い出といえば、冷や汗が半端なく出ており、ユウキの「絶対後ろ向くな」が脳裏にこびりついたことしか覚えておらず、少し眠ったところで夜が明け、そのまま登校した。

言うまでもなく3年生になった4月、ユウキの姿は無く退学していた。
不思議なものでユウキとは退学した後も連絡はとっておらず、あの夜のCAR CHASEが最期の思い出となってしまった。

今頃、××とか××とかしているんだろうな。

神のみぞ知る

いいなと思ったら応援しよう!