6 ハゲの話
確実にハゲてきている。
今年28歳になるが確実に髪が抜ける量が増えている。
友人や同僚は、まだ全然大丈夫やろー。とか担当の美容師は、そんなことないよー。と口を揃えて言うがそんなことは無い。
確実に20歳の時よりハゲているのだ。
自分が一番良く分かっている。
特に雨の日は悲惨だ。スカスカになって髪の分け目から頭皮がこれでもかというくらい露出する。大学生時代は髪のセットする時間が好きだった。
へアイロンとかいろんなワックスを駆使してそれなりに思った通りの髪型にできたから。今は違う。もうそんな偉業は過去の栄光である。
自分がもしドクの開発したデロリアンを持っていたら、髪のケアをしろ。絶対にお前はハゲる。と声を大にして過去の自分に一番に伝えるだろう。
博打予想や、親の結婚を手助けするなんて考えは毛頭ございません。(ハゲだけに)
経験を踏まえて自分の脳で仮計算したところ、このペースだと40歳にはハゲ散らかしているだろう。少ない毛でどうにか多く見せたい!と、哀れにもがく姿が容易に想像できる。
こんなことを最近毎日考えているからストレスで抜け落ちていくのだろう。
2022年6月のある日、仕事のご縁でAGA治療を行なっている人に出会ったので詳しく聞いてみた。
最近はWEBでも診断してくれるし、ちゃんとしたところだと月3000円とかで費用が抑えられる、とのこと。
早速、該当するサイトのURLを送ってもらい、一緒に見ながら相談していた。
中々いいんじゃないか。試してみようかな。
そう思った矢先、その人は追加で説明をした。
「でもね、男性力は落ちるよ。男性ホルモンを抑える薬だからね。量とか…結構影響するかな。」
私「あー、そうなんですねー。まぁ、確かに抜けるって男性ホルモンですよねー。」
…嫌だ。
それは非常に嫌だ。
髪と男性力。まさに表裏一体であるのか。
よく考えてみると、1人でそういう行為をやり過ぎたらハゲるみたいな都市伝説なかったっけ?
この判断は極めて難しい。
いかに自分が「オス」であるかを本能が示してきた。今までなにも言ってこなかったのに。
都合の良い時だけ、生命の神秘をアピールしてきやがってクソが。
「じゃあまた、WEB診断の申し込み見てみますねー。」と言い、その人とは別れた。
私はそっとAGA治療のサイトをブラウザバックした。
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