31 出会い系の話【ジェニファー編】
※以下 30 出会い系の話【アイちゃん編】 参照
人生初、出会い系で知り合ったアイちゃん(仮名)はまさかの初対面で投資話の勧誘をブッこんできたので「アイちゃん、幸せになれよ…」と思いながら、そっとLINEをブロックした。
アイちゃんにフられた(?)後も、私は懲りずに出会い系アプリに精を出していた。ある日仕事で東京出張に行くことがあり、閃いた。私の使っていたアプリは近くで同じアプリをしている人とマッチングしやすいようにできており、人口が多いとマッチ率が上がる(筆者調べ)ので東京のシティーガールとマッチングできる千載一遇のチャンスと確信した。
東京に着き仕事が終わるや否や、指の指紋がなくなる勢いでiPhoneを酷使して女性とのマッチングを狙う。
隣に上司もいたので、女性とのマッチを願いながらアプリを操作する滑稽な私の姿を見て「またそれやってるんかー。どうせ無理やろ。」と呆れられていた瞬間、マッチの通知がきた。
名前は「ジェニファー」と書いてあり金髪の外国人の写真が。これは…立派な国際交流である。彼女に日本の素晴らしさを伝えなければ。と思っていると、ジェニファーからなんの前触れも無くLINEのIDが送られてきた。
Oh…外国人は積極的。思わぬところでカルチャーショックを受けたが一旦冷静になり、確認する。LINEの登録名はJenniferだった。マジモンじゃん。と思った私は早速LINEを送る。
こんばんは!と送ると2秒くらいで既読が付いた。これがアメリカンドリーム。羨ましいぜ大谷翔平!と思っているとすぐにジェニファーから返信があった。
「今晩ホ別3万どう?」
まぁ勘のいい方は薄々気づいていたと思うが…そういうことである。
外国人も「ホ別」って言葉使うんですね。アメリカ合衆国では、日本語が世界で一番難しい言語と認定されたのに、ホ別という難解な言葉を巧みに使いこなすジェニファー様には頭が上がりません。そもそも挨拶すらなく、いきなり提案してくるところにジェニファーの狂気っぷりが垣間見えたところで私の出会い系デビューはまたも撃沈が確定した。
私はただ、彼女が欲しいだけなのに。
私はLINEに「Sorry.」とだけ返事して
ジェニファーをブロックした。