【新生活を迎える方へ】環境の変化によるストレスを乗り越えるには
「新生活、楽しみだけど不安だな…」
「環境の変化にできるだけ早く慣れたい!」
入学・入社、転職、転勤、引っ越し……大きな環境の変化には、もちろん楽しみがたくさんあります。けれども、不安やストレスを抱えている人もいますよね。
今日は、新生活でストレスが溜まる理由とよい対処法をお話しします。新しい生活での健康管理のポイントも紹介するので、ぜひ気をつけてみてください。
新生活でストレスが溜まる3つの理由
①新たな人間関係のスタート
新生活が始まると、それまでの環境から離れて一から人間関係を築いていかなければなりません。社交的ですぐに人と仲良くなれる人であっても、潜在的な疲れがたまります。内気で人見知りしがちな方ならなおさらです。
特に新社会人の場合、学生時代と違って職場にはさまざまな年代・立場の人がいます。職場独自のルールや考え方もあり、余計に馴染むのが難しく感じられるでしょう。
転職・転勤でも、既に人間関係が築かれている職場に自分1人で入っていくのは、思った以上に大変です。慣れない環境での緊張や孤立感は、メンタルにも大きなストレスになります。
職場だけでなく引っ越しもともなう新生活であれば、知り合いのいない新天地にも慣れていかなければなりません。最寄り駅や近くのスーパーなどが変わる、ゴミ出しのルールが今までと違うなど、小さなことも積み重なると疲れにつながります。
②能力的にやっていけるかどうか不安
入社・異業種への転職であれば、仕事内容を一から覚えていく必要があります。新しいことを大量に覚えるのはいつも以上に頭を使ううえ、身体的にも疲れやすいです。
環境に慣れないうちは、緊張して敏感になっています。少しのずれが気にかかる、先輩に軽い注意を受けたなど、普段の自分ならそこまで気にしないようなことでもストレスになりがちです。何度も繰り返すうちに、「自分はここでうまくやっていけるのかな?」と不安を覚えることもあるでしょう。
特に、念願叶って憧れの職種に就職できた方は新生活への期待とやる気が高まっています。思っていたより高いレベルの仕事能力を求められたり、抱いていたイメージと仕事の実情にギャップがあったりすると、「こんなはずじゃなかったのに」と思ってしまうこともあるでしょう。
③自律神経が乱れやすい気候
多くの人が新生活を迎える春先は、体調が不安定になりやすい季節です。
朝夕の寒暖差や日照時間の変化で、体内環境を整える「自律神経」も乱れてしまいます。自律神経が不調に陥ると不安や緊張が高まり、倦怠感や吐き気などの身体症状も起こりやすいです。
春は「花粉症」の季節でもあります。鼻炎や目の痒み、頭のだるさなどは精神的にもストレスですよね。
心と身体はリンクしています。精神的なストレスに強い方も、身体症状からメンタル不調に陥ることもあるのです。この記事では、新生活で特に気をつけてほしい健康管理のポイントも後ほどお話しします。
新生活のストレス対処法は「無理をしない」!
「ストレスがたまったとき自分がどうなるか」を知っておく
ストレスがたまっていると、身体的・精神的にも異変が見られます。一般的に起こりやすい症状をまとめました。当てはまるものが多いほど、現在のストレス度合いが強いといえます。
⦁ 身体症状…疲れがとれない、身体がだるい、肩こり・首こり、頭痛、食欲がわかない・食欲過多、下痢・便秘、音・光に敏感になっているなど
⦁ メンタル症状…集中力の低下、憂うつ感、イライラしがち・落ち着けない、何事も面倒に感じる、ネガティブな考えが止まらない、自分を責めてしまうなど
また、今までの自分を振り返ってみると、ストレスがたまったときの行動・思考のクセが見つかるかもしれません。あなただけの「ストレスサイン」を知っておくと、早めに対処がしやすいです。
とはいえ、ストレスの渦中にあるときになかなか自分の状態を正確には把握できませんよね。これからの暮らしのためにも、手帳・ノートに3行程度で身体・メンタルの調子を書き残しておくと、後から振り返りやすくなります。
「暮らしに慣れる」ことを1番に考える
新生活は、希望とやる気に満ちあふれた時期です。仕事のうえでも「早くスキルアップしたい」「上を目指したい」と思うでしょうし、一人暮らしを始めた方であれば「しっかり自炊したい」「充実した休日を過ごしたい」と願望もたくさんあるでしょう。
けれども、環境に慣れないうちからすべてを頑張ると、途中で力が尽きてしまいます。まずは、目の前の生活に慣れることを1番に考えましょう。
たとえば、仕事を始めて「今の自分にはこれが足りない」と思ったとしても、慣れないうちはひとまず頭の片隅に置いておきます。「あれもしなくちゃこれもしなくちゃ」と思うと、ストレスが増えていくばかりです。
生活に慣れてきてから新しいことを始めても、長い目で見れば遅くはありません。休めるときにしっかり休み、こまめに息抜きをして少しずつ目の前の生活に慣れていきましょう。
「心のよりどころ」を見つける
自宅でも職場でもない、心地よい居場所を「サードプレイス」といいます。社会学者・オルデンバーグが提唱した、「心のよりどころ」となる場所のことです。
オルデンバーグ氏は、自宅を「ファーストプレイス」、職場を「セカンドプレイス」としています。
自宅や職場は、個人の責任が大きい場所です。職場では社会人として、自宅では家族の一員としての責任があります。一人暮らしであっても、自宅で快適に過ごすには家事・管理が欠かせませんよね。
これらに対して「サードプレイス」は、その場にいる人すべてが平等にコミュニケーションでき、リラックスした雰囲気があります。このような場所を早いうちに見つけられると、生活のストレスが大幅に軽減されます。
居心地のよい喫茶店・カフェやバーなど行きつけのお店を見つけるのもよいですし、小規模のイベントやサークル・ボランティア活動、オンラインサロンなどもおすすめです。
職場で落ち込むことがあっても「自分の居場所はほかにもある」と思えるのは、大きな心の支えになります。最近はSNSでも情報が発信されているので、探してみてください。
新生活で気をつけたい健康管理のポイント3つ
⦁ 少しでも朝ごはんを食べる
「朝は時間もないし、何も食べない」という方も多いでしょう。けれども、朝起きたときは脳のエネルギーが枯渇しています。脳のエネルギー源である「ブドウ糖」は体内に溜めることができないので、前日にたくさん食べていても翌朝には補充が必要なのです。
また、朝ごはんを食べると体温が上がり、身体が動きやすくなります。長い目で見ると便秘の解消や生活習慣病予防にも効果があるので、何か食べてから出かけるようにしましょう。
朝ごはんに最適なのはお米といわれていますが、バナナやヨーグルト、グラノーラのように手軽に食べられるものもおすすめです。
特にバナナには「トリプトファン」という必須アミノ酸が含まれています。トリプトファンは「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンのもとになる成分です。メンタルヘルスの安定や質のよい睡眠を促す効果があるので、ぜひ積極的に食べてください。
⦁ 自宅では徹底的にリラックス!
環境に慣れないうちは気を張っているので、新生活の疲れに気づかない方もいます。テンションが高い状態なので、心身の疲労を振り切って頑張れてしまうのです。少し生活に慣れたころ、どっと疲れが出てくることもあり得ます。
疲れている自覚がなくても、自宅では徹底的にリラックスして心身を癒しましょう。外出先から帰ってきたら、部屋着に着替えるようにするとオンオフの切り替えがしやすいです。
部屋の照明を1段階落とすだけでも、リラックス効果があります。友達に電話をかけたり、好きなドラマや映画を観たり、自分が心からくつろげるように過ごしてみてください。
⦁ 休日もなるべく同じ時間に起きる
「休みの日はたくさん寝られる」と考えがちですが、平日・休日で生活リズムを変えない方がいつも調子よくいられます。
平日と休日の睡眠時間に差がある状態を「社会的時差ぼけ」といいます。休日にたくさん眠ると体内時計が乱れ、月曜日になっても日中眠かったり、倦怠感があったり不調が起こりがちです。
休日にたくさん眠るのではなく、平日の睡眠時間を少し多めにしましょう。新生活の間は歓迎会・交流会などイレギュラーなイベントもありますが、だからこそ生活リズムを乱さないことが大切です。
まとめ|新生活は無理せず環境の変化を乗り越えよう
人間は、元々変化に弱い生き物です。新生活による環境の変化は、楽しく感じたとしてもやっぱりストレスで身体・メンタルに疲れがたまります。
「新生活=いつもより自分をケアする期間」のようにとらえ、無理なく新しい暮らしに馴染んでいけるようにしましょう。自分に足りないもの・やりたいことに取り組むのは、これからいくらでもできるのです。
今は心身を大切にして、環境の変化を乗り越えていってくださいね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?