リスドォルとミナミノカオリ
今回は、外国産小麦と国内産小麦を作り比べてみました。
外国産は日清製粉の「リスドォル」、国内産はニシノカオリの改良型である「ミナミノカオリ」(九州産)です。
リスドォル・・・蛋白10.5 ±0.5 灰分0.45 ±0.03
ミナミノカオリ・・・蛋白10.3 ±0.7 灰分0.45 ±0.03
となっていまして、ミナミノカオリは強力粉と表示されていますが、蛋白含有量的にはリスドォルと同じ準強力粉ですね。
では、この2種類の粉を使ってバゲットを作りたいと思います。
最初に、強力粉60g 水60g ドライイースト1gで発酵種を仕込んでおきます。
強力粉・・・130g 水・・・90g 塩・・・4.5g
ドライイースト・・・0.5g
これに発酵種を60g混ぜて、ミキシングします。
加水率は75%くらいです。
手順です。
・発酵種作り
強力粉60g 水60g ドライイースト1gをよく混ぜ常温で2~3時間放置して発酵させたら、冷蔵庫で一晩。
次の日、それぞれの粉で発酵種60gを加えてボウルでミキシング。
オートリーズ30分
室温(22℃)で30分おきにストレッチ&フォールド
冷蔵庫でオーバーナイト(10時間くらい)
次の日、冷蔵庫から取り出して、復温(2時間くらい) 22℃
右がミナミノカオリ、左がリスドォル。
上が1次発酵途中 中が 3回目のストレッチ&フォールド後
下は、オーバーナイト後、1次発酵終了時です。
台に取り出して俵型に軽く丸める
成形したら最終発酵します。
60分、最終発酵しまして、焼きあがったのがこちら
1次発酵中のパンチ入れの時から思っていたのですが、リスドォルの方が生地が強く、張りもあります。ミナミノカオリの方は生地が柔らかく、成形時にも良く伸びるので、長くなってしまいました。ただ、その分上には伸びなかったのか、リスドォルの方が若干背丈がありますね。
蛋白含有量が0.2%違うので、リスドォルの方が生地的にやや強いということでしょうか?(まぁ、そこまでの違いはわかりませんw)
焼きあがってからの重さはリスドォルの方が20gほど重かったので、ミナミノカオリの方が水分がほどよく抜けたと思います。これも、生地の強さと吸水率が関わっているっぽいです。
肝心の味ですが、やはりリスドォルの方が風味が強く、噛んでいくうちに小麦の甘さが出ます。ミナミノカオリはどちらかというと、繊細と言いますか、主張しない味ですね。
結論
リスドォル
初心者でも扱いやすく、失敗しにくいと思います。風味もあり、噛めば噛むほど小麦の甘さが出ます。さすが日清製粉。
ミナミノカオリ
国産特有の吸水の悪さがありますので、加水率は5%ほど下げた方が扱いやすいと思います。ハードパンより、惣菜パンやリッチ系のパンの方が良いかもしれません(食パン向き?) 良くも悪くも邪魔をしない味わいですので、サンドイッチなどにはうってつけです。
ということで、作りやすさも、味もリスドォルに軍配が上がったわけですが、大事な事を忘れてました。
ミナミノカオリは安心の「国内産」です。
ここが最も重要なことですね。