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生物クイズ#1【ABO式血液型】

生物は暗記でしょ?

多くの人がそう考えているのではないかと思う。実際に学校のテストは暗記でどうにかなってしまうことが多いし、基礎的な知識がある程度ないと多くの生命現象を理解できないことも事実だろう。しかし、本当に生物が楽しいのは知識をふまえた上で様々な生物の構造、機能がなぜそうなっているのか、どのように働いているのかを考える部分だと思うし、研究の場面で暗記量で差がつくことはまずない。

この連載では、生物を題材にパズルのようなクイズを出題し、暗記ではない生物の側面を楽しんでもらえればと思う。

問題

以下、血液型はA型、B型、O型、AB型の4通りのことを指すとする。
私は自分の血液型を知らないので、親戚の血液型から推定してみることにした。

  1. 父と母の血液型を知っても、私の血液型は4種類から絞り込めなかった。

  2. 父方の祖父母の血液型が分かると、私の血液型は2種類に絞り込めた。

私の血液型として考えられるものをすべて挙げよ。

DALL-Eにより生成

答え

A型、B型、AB型

解説

まず、条件①「父と母の血液型を知っても、私の血液型は4種類から絞り込めなかった」から、父母の血液型のペアとして考えられるのは(A、B)のみである。
これは10通りのありうる父と母の血液型のペアをすべて書き出し、子の血液型の可能性を考えてみると分かる。
その他の血液型からは生まれえない子供の血液型が存在する。また、A型が遺伝子型AAとAOを含む点もポイントである。(B型も同様)
条件②「父方の祖父母の血液型が分かると、私の血液型は2種類に絞り込めた」から、祖父母の血液型により、父の遺伝子型が絞り込めたことが分かる。ここで、A型、B型の対称性より、A型がAAまたはAOに絞り込めた可能性を考える。
祖父母の血液型のペアが(AB、AB)であった場合に、父の遺伝子型がAAと絞り込める。AAであった場合、もう一方の親がB型であることと合わせて、子はA型(AO)かAB型であることが分かり、問題の条件を満たす。
祖父母の片方がO型であった場合に、父の遺伝子型がAOと絞り込める。AOであった場合、この血液型は絞り込めない(A型、B型、AB型、O型すべての可能性がある)ため、問題の条件を満たさない。
よって、父がA型だった場合、子はA型かAB型である。
ただし、父がB型の可能性もあるため、子はB型かAB型と絞り込まれた可能性もあり、最終的な答えはA型、B型、AB型である。

遺伝学の理解を必要としつつ、パズルのような問題を作れないか考え、できた問題である。問題に具体的な血液型が出てこないのに血液型を答えさせる問題になっている点、問題に「2種類」と出てくるが、答えは3種類なため、でたらめに答えても正解できない点がこだわりのポイントとなっている。

生物学は暗記科目と思われがちだが、知識を基に様々な生物の構造や機能を考えるのが楽しい。この連載は、暗記ではない生物の側面を楽しんでもらうために、パズルのようなクイズを出題している。ある人の血液型を親戚の血液型から推定する問題が出され、答えはA型、B型、AB型である。遺伝学の知識を必要とする問題である。

ChatGPTを用いて要約
サムネイル画像はDALL-Eにより生成


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