【中深煎り】ペーパードリップの美味しい淹れ方【動画付】
最終更新:2020/03/25
このnoteは動画の内容を補足するテキストとして読んでみてください。
動画の撮影・編集は「Seisyu Labo」です。
こんにちは。キヌバリコーヒー です。
私は2017年からキヌバリコーヒーという名前で自家焙煎のコーヒー豆の販売や、イベント出店をしています。
よく友達やお客さんから「コーヒーの美味しい淹れ方を教えてほしい」と言われるので、今回はキヌコー流の美味しいコーヒーの淹れ方をみなさんにご紹介します。
コーヒーに限らずですが、食べ物や飲み物は人それぞれ好みがあります。
一言でコーヒーと言っても品種、産地、精製、焙煎、抽出の組み合わせ次第でその味や香りは無限です。
個人的には誰もがおいしいと思えるコーヒーは無いと思っていて、とにかく自分が美味しいと思う味を目指してコーヒーをやっています。
なので、今回紹介するペーパードリップでの抽出方法は、あくまでも私個人の好みに合わせた抽出方法です。
それを踏まえた上で参考にしていただければ幸いです。
前書きが長くなってしまいましたが抽出方法の前に使用する器具を紹介します。
【使用する器具】
コーヒーの抽出に使用する器具は下のリストの通りです。
・ミル/グラインダー
・ドリップスケール
・ドリップポット
・ドリッパー & サーバー
全て同じものでなければいけないということはないですし、代用できるものもあるので一つずつ紹介していきます。
「ミル/グラインダー」
ミルやグラインダーを持ってない人もいると思いますが、この機会にぜひ買ってください!
淹れる直前に豆を挽いた方がぜっっっっっっっっっっっっっっったいうまいので!
ちなみにキヌバリコーヒー では豆の挽き売りはしていません。
1杯分くらいならハンドミル(手回しのミル)で十分。
1日に何杯も飲むとか、1回に数杯分まとめて淹れますという方は電動がほしいかと思いますが、電動は安くて良いものがほぼ無いと思います。
豆の引き具合(メッシュと言ったりします)も味わいに大きく関わってくるので、ある程度細かさを調節できるものを選ぶのがポイントです。
あと、静電気がすごくて粉が結構散らかるので、粉受けのカップは金属やプラスチックじゃなくて陶器にすると散らかりにくいです。
私はずっと欲しかったこの「ナイスカットG」の限定カラーをついに買ってしまいました。クラシカルなデザインとこの色がたまらん…!
「ドリップスケール」
家庭でコーヒーを淹れるのにスケールとタイマーを使ってる人はそんなに多くないのかなと思いますが、最悪スケールだけでもあった方が良いです。
おいしいコーヒーを淹れるには使う豆の量、注ぐお湯の量がとても重要。
タイマーはスマホや時計でなんとかなるけど、豆の量や注ぐお湯の量を正確に計るためにスケールは必須。
1000円くらいで買えるキッチン用の安いのでもよいので美味しいコーヒーのためにぜひ買ってください。
タイマーとスケールが一体になってるHARIOのドリップスケールもあります。職場ではこれを使っています。
「ドリッパー&サーバー」
ドリッパーはHARIOのV60を使っています。
大きめのひとつ穴と内側にある「スパイラルリブ」と呼ばれる溝が特徴です。
これによりお湯の落ち方がスムーズですっきりとした雑味の少ないコーヒーを淹れられます。
この他にもドリッパーの形状はいろいろあるのですが、基本的には「円錐形」のドリッパーを選ぶのがおすすめです。
よくある台形のような形状で小さな穴がいくつか空いている安いドリッパーだと、粉全体に均等にお湯を浸透させるのが難しいです。
サーバーはなんでもいいです。1杯分入れるだけなら直接カップにドリッパーを乗せて抽出しても良いと思います。その方が洗い物減るし。
このセットめっちゃ安いからおすすめ。私も3セットくらい持ってます。
「ドリップポット」
ドリップポットは細口で注ぐお湯の量を微調整できるようなものが良いです。
そろそろうちのドリップポットも新調したくて、私はこれを買おうかなって思ってます。安いし温度計付いてるし。
でも本当はこれが欲しい。(動画で使っているのと同じやつです)
【中深コーヒーの淹れ方】
お待たせしました。ようやくここから抽出方法(淹れ方)の紹介をしていきます。
数字がいろいろ出てきますがあくまでも目安なので、この淹れ方に囚われずご自分の好みに合わせて調整してください。
それではいってみましょう!
「ドリッパーにペーパーをセット」
まずはドリッパーにペーパーをセットします。
セットするときはペーパーの張り合わせ部分を織り込んでからセットすると、ペーパーとドリッパーの間に隙間ができにくくなるのでより均一な抽出がしやすくなります。
「器具に湯通しをする」
ペーパーをセットしたらその上からお湯を注いでドリッパーとサーバーを温めます。
サーバーのお湯はカップに移して、カップも温めておきます。
「豆の軽量をする」
使用する豆の量は必ず計量をします。
今回は1杯分約15gのコーヒー豆を使用します。
「豆を中細挽きで挽く」
豆のメッシュ(挽き具合・細かさ)は中細挽きです。
細かすぎると苦くてコクが強くなります。
荒すぎるとお湯が落ちるのが早くてしっかりと成分を抽出できずに薄くなりやすいです。
メッシュは抽出器具やフィルターの種類によっても変わってくるので、お好みでいろいろ試してみると良いと思います。
「コーヒーを抽出する」
いよいよお湯を注いで行きます。
注ぐお湯の量は使用するコーヒー豆の16倍の重さです。
使用するコーヒー豆の量 × 16 = 注ぐお湯の量
なので今回は240gのお湯を注いで行きます。
湯温は85℃から90℃くらいとやや低めにしています。
沸騰直後のお湯をそのまま注ぐと温度が高すぎて苦味やえぐ味が強く出やすいです。
逆に85℃未満になると温度が低すぎてコーヒーの成分をしっかりと抽出しずらいです。
「やや低め」というのは、他のコーヒー屋さんなどで紹介している淹れ方では、湯温が95℃前後としているところが多いので、それと比べたらやや低めという意味です。
浅煎りのコーヒーは湯温高めの方が味が出やすいと思います。たぶん。
1投目(0:00/50g) TOTAL 0g
タイマースタートと同時に1投目を約50g注ぎます。
10秒〜15秒以内でで注ぎ終わるように、中心から外側に円を描くように注ぎ、外側から中心戻ります。
注ぎ終わったらタイマーが40秒になるまで蒸らします。
2投目(0:40/40g) TOTAL 50g
タイマーが0:40になったら2投目も同じく10~15秒以内に今度は50g注ぎます。
1投目と同じように中心から外側へ円を描くように注ぎ、外側から内側へ戻ります。
中心に500円玉くらいの白くて丸い泡を作るように注ぎます。
フィルターに直接お湯がかからないように気をつけながら細くゆっくり注ぎます。
2投目が注ぎ終わったらタイマーが1:20になるまで待ちます。
3投目(1:20/40g) TOTAL 90g
3投目も細くゆっくりと円を描くように40g注いで1:50まで待ちます。
4投目(1:50/40g) TOTAL 130g
4投目も細くゆっくりと円を描くように40g注いで2:20まで待ちます。
5投目(2:20/40g) TOTAL 170g
5投目も細くゆっくりと円を描くように40g注いで2:50まで待ちます。
6投目(2:50/30g) TOTAL 210g
最後は30g注いでコーヒーの液が落ち切るのを待ちます。
完成(3:30以内) TOTAL 240g
最後まで落としきったらカップに注いで完成です。
まとめ
【0:00】1投目(湯量:50g)
【0:40】2投目(湯量:40g) 90g
【1:20】3投目(湯量:40g) 130g
【1:50】4投目(湯量:40g) 170g
【2:20】5投目(湯量:40g ) 210g
【2:50】6投目(湯量:30g ) 240g
こんな感じでだいたい3:00以内に240g注ぎ終えて、3:30くらいまでに抽出が終わればOKです。
私はいつも1投目が蒸らし、2投目と3投目がコーヒーエキスの抽出、4投目以降で濃度の調整というイメージで淹れています。
エイジングについて
一つ重要なことを忘れていました。
おいしいコーヒーの淹れるには「良い豆を使う」というのが必須条件です。
品質の悪い豆や劣悪な環境で適当に保存されていた豆で同じ淹れ方をしてもきっとおいしくないです。
単純に焙煎したばかりのコーヒー豆で淹れればおいしいということではなく、むしろ焙煎したてはガスが出るため味も香りもいまいちです。
しっかりとエイジング(ガス抜き・熟成)をすることでコーヒーの美味しさを引き出すことができます。
個人的には3日目くらいから味や香りが出てきて、一番おすすめなのは焙煎から10日目以降です。(あくまでも個人的な感覚です)
冷凍保存なら多少味や香りは落ちますが、10ヶ月はおいしく飲めると思います。(焙煎度合などによっても異なります)
冷凍する際はジップロックなどの密閉できる容器に入れて保存してください。冷蔵は他の食品の匂いが移りやすいのでおすすめしません。
常温で保存する時は密封できる容器かジップロックなどに入れて日差しの当たらないところに保存するのが良いと思います。
自分なりにアレンジしてみよう
今回紹介した抽出方法がすべての人にとって美味しい淹れ方というわけではありません。
私自身その日の気分や体調で豆の量やお湯の量、抽出時間などを微妙に変えながら淹れています。
みなさんもぜひ、自分の好きな味や香りが出せるように抽出方法をアレンジ、研究して淹れてみてくださいね!
もっと詳しく知りたいことなどがあればコメントやメッセージ、各種SNSからでもご質問いただければと思います。
この記事が少しでもみなさんの参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただきありがとうございました。
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