相手の話を聞く力
最近、心にとまった”聞き方”にまつわる話をシェアします。
河合隼雄さんの「こころの声を聴く」という本の中に、
と書かれてありました。臨床心理学者で、聞く専門家の河合さんですが、集中しすぎるのではなく瞑想な感じで聞くのが大切、ということなのでしょうか。
そして、もう一つ、子安美知子さんの「モモを読む ー シュタイナーの世界観を地下水として」から。「モモ」はドイツの作家ミヒャエル・エンデによる児童文学作品で、世界中で翻訳されている本です。その「モモ」をシュタイナーの世界観で読み解いた子安さんの本の中にも、”相手の話を聞く”力について書かれてあります。
そして子安さんは、シュタイナーが説く「他の人間の語る言葉に耳をかたむけるありかた」と照らしあわせます。
この”聞く”練習はやがてメディテーション(瞑想)とも名付けられるようになったそうです。
ケン先生もよく「ジャッジしない」という言葉を使います。
ヨガのサマディも一つになることを意味します。
集中しすぎず、瞑想の心もちで、ジャッジせず、対するものと一体になることを目指すということでしょうか。
昔、マイソールでシャラート先生のカンファレンスが始まる前、生徒達がザワザワしていると、シャラート先生は椅子の上で蓮華座になり、その場が完全に静寂するのを待っていらっしゃいました。
そしてある時、こう話されました。
「家に誰かがくれた言葉が飾ってあるのですが、
“don’t talk until you have perfectly silence. “
“完璧な静寂が訪れるまで、話をしないように”
という言葉ですが、とてもいい言葉だと思います。」
これは他者の声を聞くときの話ですが、自分の声を聞く時も同様、大切なことだと思いました。