じかに接した部下からの小林一三の人物像

『小林一三翁に教えられるもの』(清水雅、梅田書房、1957年)読了。

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著者は、戦前の小林一三の欧米視察旅行に秘書役として随行し、のち阪急・東宝の社長、会長を勤めた人物である。1957年は小林一三逝去の年で、生前に著者がじかに接した経験を軸に小林一三の人物像を回想した本である。各章ごとにエピソードが完結するエッセイ集。

小林一三(逸翁)はこんな人(清水雅から見て、聞いた人物像)
1:思いついたことに部下がすぐ着手しないと、怒る。
2:怒っても、すぐ忘れ後をひかない。が、しっかり覚えている。
3:抜群の記憶力、でも瑣末なことはすぐ忘れる力もすごい。
4:アイデア、構想力は、大きな話から百貨店や食堂の細かな事まで縦横無尽。
5:具体的な数字もしっかり把握していて、部下もタジタジ。
6:お得な情報を得ても、財テク的な株式投資はしない。自分の事業に投資だけ。
7:アイデアを思いついても、すぐ実行でなく、調査・実験の潜伏期間ある。
8:小賢しいのは大嫌い。それよりは鈍感でも愚直、真面目を愛する。
9:晩年のリフレッシュ、心を整えるのは、お茶の時間。
10:書き出すと、めちゃくちゃ早い。集中力がすごい。
11:いつでもどこでも寝れる。プレッシャーあっても寝付けるのが強み。
12:つねに新しい事業構想を暖めている。次々に湧き出る。

目次
おこられ記
続おこられ記
電車の窓
宝塚食堂のこと
小林一三翁の逝去に思う
阪急カレーのこと
パンの問題
食料問題
宝米
牛・豚・鰻
おでん
チゴイネル
小林翁の横顔
三つの話
宝塚の図書館
随行心得書
事業に生きる
ブラッシの製造
沿線開発の話
阪急共栄薬のこと
メーシー百貨店
ロシアのお産病院
私の生き方
私の見たソヴエト・ロシア
其後に来るもの
小林さんの運動
古い日記
セメント株
旅中雑話
ブルドーザー工事株式会社
ひげ徳利のこと
頭のレクリエーション
阪急友の会
大井の阪急百貨店
文化センター
六甲開発の先覚
新しい会社


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