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映画の時代考証は難しいデス(汗)

朝のNHK連ドラ「おむすび」で主人公の父親を演じる北村有起哉さんの
熱演が評判を呼んでいますが
先日は北村さんが理容師に成り切る為に
理容技術の特訓をしているシーンがありました

ヘアマネキンを刈って練習し、その後本当にカットをされたそうです

このようなショートヘア、ブロースを刈るのは普通なら3年近くの修業が
必要で、こんなに早くこんな髪が刈れるとはビックリ
櫛を使わずに鋏を直接に髪を揃える技術を直鋏(じかばさみ)と言いますが
ここまでマスターされたとは、かなりの練習を重ねられた事でしょう😍

ところで、理容師が主人公の映画といえば「私は貝になりたい」が
有名ですが

この映画の時代考証を頼まれた時

戦後間もなくの理容椅子の持ち主、数人を教えましたが
それは下のようなアールヌーボースタイルの椅子😍

「これでは現代の目でみるとゴージャス過ぎて、貧乏な二人が
やっと店を持った感じがしない」と福澤克雄監督がNGを出しましたが
主人公が修業した店の椅子で登場しました😀

困った美術監督がネットで探し出したのが明治末から大正初期の
下右の椅子です😥

四つ足半寝椅子と呼ばれています😍

また所ジョージさんがテレビで「私は貝になりたい」を演じた時の椅子は
大正時代に横浜の高級西洋家具の店で造られたこんなゴージャスな椅子で↓ ミスマッチでした😥

ライオンの彫刻もあり油圧で上下する国産最高級の理髪椅子ですが
メーカーの松浦商会は関東大震災で被災し廃業しました😥

また、最初に「私は貝になりたい」を演じたのは
フランキー堺さんでしたが
その時の椅子はホーローの椅子で
時代的には戦後間もなくの理髪椅子で、正解はこれでしょう↓

「ポスト」の表紙で、息子が父親の頭で練習中?

とまあ、理髪椅子の時代考証も、時代的事実かドラマ的真実かを考えると
難しいものデス😥

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