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冬、春、あなた。
締め切りよりも前倒しでバリバリ書き仕事をしよう。
と思って今日が始まった。
まるではかどらなかった。
一日のほとんどの時間を、部屋の片隅の、一平方メートル内で過ごした(ソファ長椅子部分)。
うん、そういう日もある、と思ってこれを書いています。
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(最近こればかり観てら)
とはいえ、それで良かったと思える日でもありました。
母が午後に訪ねてきて、ふたりで色々話せたから。
先日、母の兄であるところの、私の叔父が亡くなった。
叔父は母方、福島の人。子どもの頃、春、夏、冬、学校の休みにはずっと福島にいたから、叔父叔母にはたくさん世話をしてもらった。
だけど私はお葬式に行けていなくて。
母と二人で、叔父のことや、親戚のこと、家族のこと、たくさん話して、泣いて、この時間のための、仕事のはかどらなさでもあったのだと思った。
久々に、こちらも書いているし。
というわけで、皆さんお久しぶりです、桑原です。
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Twitter(Xか、まだスマホアップデートしてないので私のアイコンは鳥のままですが)を控えるようになってから、お知らせしたいこと、お話ししたいこと、山ほどたまっていて。
たまりすぎてもういいやみたいな、品数豊富すぎるショッピングモールだとかえって何も買えなくなるみたいな、そんな現象が起きておりました。
たまりゆく、おしらせと、ねこの写真。
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やっと夜の猫散歩の写真が撮れるようになった
このまま忘れてしまわないように、この冬のことを書き留めてみよう。
てか、まずは一気にお知らせからだ。
やらしくてすいません。
お知らせあれこれ
昨年、穂の国とよはし芸術劇場PLATで上演した舞台「たわごと」の戯曲が掲載されています。大事な作品です。
併せて、「2023年私の発見」というお題に、寄稿もさせて頂いてます。まだ買える(はず)!!
是非に。
「悲劇喜劇」つながりでもうひとつ。
第5回ハヤカワ「悲劇喜劇」賞をいただいた、こちらもとよはし芸術劇場PLATプロデュース『荒れ野』が、国際交流基金のYouTubeにて無料でご覧頂けます。
劇中で引用した本を読むシーンや、ブリッジでかかる音楽などが著作権の関係でカットされているので、ちょっと見づらいかも知れませんが、それでも充分本編をお楽しみ頂けると思います。なんとっ英語、フランス語、中国語、スペイン語などの字幕でも観られます。
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ふと、「あの台詞はどう翻訳されてるのだろう・・」と気になった箇所をチェックしてみました。
「I'm hard, Sensei」
・・・だそうです。(この意味わかりますか)
続いて。
もうじきこちらの稽古が始まります。
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上演台本と演出をします。
一月はずっとこちらの上演台本に取りかかっていました。
韓国では既に2回上演されており、そちらの戯曲が元になっています。
キャストには、主演のお二方をはじめ、錚々たる面子ですが、
KAKUTA『ひとよ』の元祖・母ちゃんでお馴染みの岡まゆみさんや、同じくわたしまわりでとってもお馴染みの久保貫太郎(かんこ)さん。またKAKUTAでは『往転』『ひとよ』などなど、楽曲製作でめちゃくちゃお世話になってきたオレノ・グラフィティさんを、ついに俳優としてお迎えするなど、お三方は業界屈指のお人柄だとしっているだけに、大変心強い面々。
『少女都市からの呼び声』で昨年共演してた河西茉祐ちゃんも!
あと、狩野英孝さん・・・(わたしYouTube「EIKO!Go!」登録してます)
わおわおわ!!!
全身全霊で頑張りますので、是非観に来てください。
(全然関係ないけど「全身全霊」って書くときいつも映画『バトルロワイヤル』の栗山千明が「全身全霊を賭けて、あなたの存在を否定してやる!」で言う台詞を思い出します)
2025年6月
— 新国立劇場の演劇 (@nntt_engeki) February 28, 2024
シリーズ「光景―ここから先へと―」Vol.2
『#ザ・ヒューマンズ─人間たち』
劇作家・脚本家として活躍するスティーヴン・キャラムのヒット作を、演出に新国立劇場『ロビー・ヒーロー』の記憶も新しい桑原裕子を再び迎え、日本初演!
作:#スティーヴン・キャラム
翻訳:#広田敦郎… pic.twitter.com/VOnuL2ycl9
お知らせの最後は、大分先ですが、情報公開されたのでチラリと。
来年初夏です。
最近観たお芝居
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我らが酒井晴江はKAKUTA入所以前、
北区つかこうへい劇団の看板女優でしてね
「晴江が見得を切る様は日本一格好いいな!」と思ったのが、意外にも、ここぞ!ってシーン以上に、何気なく正面ブリでふざけたポーズを取ったときだったりするのだけど、そういう時の表情って頭の隅にずっと残る。映像だったら何度も巻き戻して観ちゃうシーン。演技中どの瞬間を写真に撮ってもサマになる、という役者に憧れたことを思い出した。
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(最近は、カーテンコールは撮影可なのがいいですね)
♪ 前髪切りすぎた 土曜日の午後 (by エスパー魔美)
といった風情の多田香織。かわいいのでアップで撮ってしまった。
彼女と、日高啓介さんと、劇作家・演出家の永山智行さん、三人のユニットです。KAKUTAを離れたタダが、自身のプロデュースでゼロから一を生み出した舞台。タダの大好きがたくさん詰まっていました。
新曲が良かったなあ。
少し話題が逸れますが、ひなた旅行舎が上演されていたアゴラ劇場は間もなく閉館します。KAKUTAが若い頃、何度も何度も立たせてもらった、あまりに思い出深い場所。
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あ!!劇場の写真撮っておくんだった!!と気づいたのは、終演後に劇場を離れてから。多田さん達に割と手厚く見送って頂いた手前、わざわざ戻って写真を撮るのが恥ずかしくて、かわりに、思い出深い通りを撮った。
ちょうど同じ日に観劇に来ていた元KAKUTA、現・青年団の佐藤滋に遭遇したので、記念にパチリ。
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いや、案外変わってないんじゃない?などと言いながら
(撮影はKAKUTAの制作、堀口つよしんご)
「なんでこの通りなの?」って、何度も突っ込まれたわけですが。
私には、本当に色々と沁みる道なんですよね。
KAKUTA初期の頃、お客さんが少なすぎて、客入れ中に裏口からこの通りに出て、お客さん来て・・・と、
祈るような気持ちで道の先を見つめたあの日や。
劇場上の稽古場に泊まらせてもらって、劇団員たちと、遠くのコンビニへ買い出しに行ったあの日。
この先に、アゴラが繋がってるのがわかるから、ここの写真でいいのです。
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(お写真PLATのサイトからお借りしました)
先日、豊橋にて『市民と創造する演劇』を見に行った。
みんな頑張ってるかなあ、なんつう、芸術監督ヅラふかして(いやそんなつもりはないけど)のぞきに行ったら、すごいことをしていました。
市民で、休憩あり2時間45分の大作を完膚なきまでやりきっていた。
特に二幕の空襲のシーンは、胸を打たれた。
たいてい戦争にまつわるシーンとなったら、なにがしか衝撃を受けるものではあるんですけど、これはね・・・、
生演奏で楽器を演奏しているんですが(それもまた市民たちが!!)、ものすごい熱量で奏でている姿が、その躍動感、生命力、こそが、燃え上がる戦火そのものに見えて、嗚呼!!となってしまいました。
私は、基本的に、演技のうまいひとが、好きです。(雑な言い方)
でも、どれだけ俳優が上手に演じても、「うまい」以外に何にも感じない時がある一方で、ちょっと滑舌が悪いとか、立ち姿が荒っぽいとか、そういう欠点が山ほどありながらも、それらを凌駕して胸をわしづかみにしてくる存在ってありますよね。
俳優個人というより、そこで起きている現象そのものに魅入ってしまうというか。上手くはないが、うま味がありすぎる。
市民達にはそういう力が、ありました。
少し前に、(写真がないため載せられないのが残念ですが)KAKUTAの成清団長が演劇講師を務める日本工学院の卒業発表会を見に行ったときも、同じことを思いました。
立ち方がフラフラしてるなーとか、声がまだ弱いなとか、仕草が覚束ないなとか、未熟な部分を探せばたくさん見つかるのだけど、そんなのどうでもいいじゃない!ここで起きてる奇跡を前にしたら!という、豊かな気持ちになって。
ひとだけじゃない、本だけじゃない、演出だけじゃない、音や灯りの、効果だけじゃない、それら全部が作り出す「なまの息吹」に胸打たれてこそ、演劇の醍醐味という奴ですね。
また長くなった。(予想はしていたが)
最近のこと書こうと思っていたけれど、もうあまり体力がない(ねむい)。
そうそう、このまえ、韓国に行きました。
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巨大なぬいぐるみがそびえてた
かわいいやら、こわいやら
「ナビレラ」は韓国の漫画原作でして、れっきとしたお仕事です。が、楽しむべきところはしっかり、楽しみました。
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この写真のポイントは、
天使がゴミに囲まれているということです
韓国は恐ろしく寒かった。
でも、ほかほかになるような嬉しいこともたくさんある旅でした。
舞台に生かせますように。
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二月なのにもう春か、なんて言ってたらまた冬に舞い戻り。
ふと、「冬、春、あなた」って、くらもちふさこの漫画のタイトルを思い出した。いいよな、このタイトル。
ありがとうね、冬。
早く来い、春。
そしておもいうかべる、
叔父の顔、韓国の友だち、
この冬一緒に過ごしてくれた、あなたや、あなたや
あなた。