けいこにっき/6
8月10日(月) 衣装合わせ
今日は一日かけての衣装合わせ!
密を避けるため、いつものように全員で集まるのをやめてキャストごとに時間割をして行ったのだけど、これは正解だった!
(なんだか姉妹感のある先輩と後輩)
それなりに点数も多いし、いつも一日で全部完璧に決まり切るなんてことは無いから、一緒くたにやってカオスになるよりそれぞれじっくり見れた方が良い。
今回、「衣装進行」というスタッフクレジットで参加している劇団員の四浦麻希。こう見えてもうKAKUTA10年生。
ほんとうならば彼女は、この時期は俳優業を少しお休みして海外留学しているはずだった。フィンランドにアパートを借り、近所の大学に勝手に忍び込んで授業を受けてくるなどという謎の冒険旅行を計画していたヨウマキ。
それが、ご存じの通りコロナ禍で・・・。ばっきゃろー。
GOTOトラベルキャンペーンでヨウマキの夢を叶えることは出来ない。
しかし皮肉にも、そのおかげでKAKUTAのスタッフについてもらえるというわけだった。
ヨウマキは衣裳進行としても外部からお仕事もらってやったりしているくらいで、いつの間にかめちゃめちゃ敏腕になっていた。
昔はほんとうにべそかきの闇墜ち系フシギちゃんだったのに・・・。
いるというより生えてるって感じの、茸にょろにょろ系だったのに・・・。
今じゃ劇団員を叱り、労い、リードしてすっかりお姉さん・・・!
人っていつ成長するのだろう。
若いときの彼女を見て、今のヨウマキを想像することなんて出来なかった。
こう考えると、つくづく「将来性を買う」などという言葉がおこがましく思える。予測できない才能や将来性なんて山ほどあるのだ。
どこまでも可能性は広がってるなあ。人生って面白素敵。
衣裳合わせが終わって、後片付けはやっとくよ、はよ帰れと送り出してくれた面々の写真を撮ったら、なんか凄い良い写真が撮れた。
8月12日(水) アクション稽古とミクい愛。
KAKUTAの芝居にアクションなんてありましたっけ?って話なんだけど本日は紛れもなくアクション稽古。
「ねこはしる」でも大変お世話になった森貞先生をお迎えした(赤Tシャツがサダ先生)。
アクションは、なにも刀で斬り合ったりするようなものだけじゃない。激しい動きで俳優同士が絡み合うようなときは、指導の先生に指導をしてもらう。ダイナミックでありながら危険が無く、かつリアリティのある動き。
指導を頼むことが出来なかった頃は、わからないまま本気で取っ組み合って怪我してるようなこともあった。だから、演出ではどうしても追いつかないところの知恵を授かる。
演出助手のさおちゃん、「森貞さんてTEAM発砲・B・ZINの方ですよね・・・?私の世代は特にキャッとなっちゃいますよ」という。
そう、サダ先生は憧れの先輩俳優でもあり、成清団長の古い友人でもあり、私が10年くらい前に生まれて初めて殺陣というものをつけてもらった先生でもある。
サダ先生のいいところは、絶対に俳優を叱ったりけなしたりしないところ。
どんなに覚えるのが遅くても、ヘンテコな動きをしていても、褒めるところを見つけてくれ、その気にさせてくれる。
むちゃくちゃな動きになっても、危険なとき以外は笑って見てくれるし、アイディアに取り入れてくれる。
・・・・・・私もそんな風に演出できたらなあ・・・・・・。
サダ先生の教え方を見ているとつい「ダメだし」になってしまう自分に反省することが多々あるのだった。
世にも不評なにんじんルックで稽古に臨む若狭先輩。
どういう丈のパンツ???
劇中で使用する小道具の新聞を演出部の村西さんが確認しに来てくれた。
一見普通の古新聞かと思いきや、ちゃんと手作りでオリジナル新聞を作ってくれたのだそうで!
見出しはどうやらすべてオリジナル。
よく見ると、小見出しもなんか遊んでる・・・。
細かい!
オゾン層復活か・・・よく見るとどれも夢のある見出し・・・。
こんな平和な新聞の世界に生きたい。
それにしても、なんという手の込んだ&遊び心のある手作り小道具。
ここまでやらなくたっていいのかもしれないけれど、こうした遊び心で力をもらえたりするんです。
これを作ってるのは、だれ!?
美大出身の新劇団員・矢田未来。(よりによってこんな写真@往転出演時)
未来はニューカマーであると同時に、スーパー小道具メイカーでもある。
「ひとよ」の小道具だけじゃなく、「らぶゆ」や「往転」、「ねこはしる」の物販用ガシャポン等々、いつも夜なべして作ってくれている。
これまで作った数々の複雑な小道具に比べれば、新聞なんてお茶の子さいさい・・・なのだろうけど。
村西さん「これみて。泣かせるじゃない?」
・・・グッときた・・・・・・。
矢田未来・・・ミクいことするじゃねえか・・・。
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