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【ウイスキー】スコッチ⑤ キャンベルタウン

ウイスキーを飲み始めると、わからない言葉が色々と出てきますよね。
その中でも外せないのが、「キャンベルタウン」という単語。

人気沸騰中のキャンベルタウンのウイスキーですが、
キャンベルタウンって何なのかは意外と説明ができないものですよね・・・
より楽しくウイスキーを嗜めるように、しっかりと解説していきます。

1. キャンベルタウンの蒸溜所

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キャンベルタウンは
かつてはスコットランドのウイスキーづくりの中心地として栄え、
歴史の流れで衰退していくも、今も一目置かれる生産地です。
写真のSpringbankは、日本でも知名度が高く、
今なかなか手に入りにくい銘柄ですよね。

現在この地域には3つの蒸溜所が存在します。
1 スプリングバンク蒸溜所
2 グレンスコシア蒸溜所
3 グレンガイル蒸溜所

もっとも、全盛期にあった蒸溜所の数は30以上、
今も街中には蒸溜所の廃墟がいたるところにあります。
この激しい盛衰にはどのようなドラマがあったのでしょうか?

2. キャンベルタウンってどんなところ?

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キャンベルタウンはスコットランドの西、キンタイア半島に位置します。
人口は5,000人弱ののどかな町でありながらも、
かつてはスコットランドのウイスキーづくりの中心地であったのには
理由があります。

良質な水、原料の大麦と燃料の石炭が近くで手に入る恵まれた生産環境。

イングランド、グラスゴーといった国内の大都市へのアクセスがよく、
かつ、アメリカへの航路も開けているという恵まれた立地。
(昔は船が主たる輸送手段でしたので
西にあるだけでアメリカに近いという点で有利でした。)

20世紀初頭まではウイスキーづくりがどんどん盛んになり、
小さな町であるにもかかわらず、蒸溜所の数は30を超えていきます。

ところが、
第一次世界大戦に伴う需給の乱れや増税、
生産拡大による原料や燃料の不足からくるコストアップ、
アメリカでの禁酒法やその後の第二次世界大戦...
様々な要因に振り回され、
1934年にはわずか2つの蒸溜所だけが残ることとなってしまいました。

3. 色とりどりなウイスキーたち

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悲哀の歴史から、銘柄数がキュッと絞り込まれてしまった
キャンベルタウンのウイスキー。
しかし、数は少ないものの役者は豊富です。

半島に位置するという特性上、常に潮風にさらされるため
どのウイスキーも塩気を感じるという共通点がありながらも、
蒸溜所の個性や作り方のこだわりが随所に感じられ、個性豊かです。

スプリングバンク蒸留所だけでも
・複雑なつくり方で芳香を発する Springbank
・伝統的な3回蒸留×ノンピートで軽やかな Hazelburn
・2回蒸留×ヘビーピートが強烈な Longlow

さらに、困難な歴史を共に耐え抜いたグレンスコシア蒸溜所より
・麦の優しい甘みと旨味を感じる Glen Scotia

また、2000年にスプリングバンクの所有者、
J&A Mitchell社が買収し復興させたグレンガイル蒸溜所より
・2回蒸留でバランスよく整えられた Kilkerran

どの銘柄もなかなか人気で手に入りにくい昨今ですが、
どれも素敵ですので見かけたらぜひお試しください。

 
4. キャンベルタウンより日本へ

竹鶴政孝 竹原

キャンベルタウンの蒸溜所といえば、
日本のウイスキーファンはぜひ知っておきたいものがもう一つ。
前項で登場したスプリングバンク蒸溜所のウイスキー名のもととなった、
「ヘーゼルバーン蒸溜所」です。

日本のウイスキーづくりの開祖の一人、マッサンこと竹鶴政孝が
1920年の1月から5ヶ月間、つくり方を学んだ蒸溜所なのです。
ヘーゼルバーン蒸溜所は残念ながら1925年に閉鎖されてしまいましたが、
その意志は遠い東の島で今も受け継がれているわけですね。

NIKKA WHISKYの特設サイトもぜひご覧ください。

日本のウイスキーの父 竹鶴政孝 竹鶴ノート
https://www.nikka.com/80th/story/note/


5. まとめ

・キャンベルタウンはスコットランドの西の半島に位置する町

・栄子盛衰により現在蒸溜所は3つだが、どの銘柄も味わい深い

・竹鶴政孝が研修に訪れた、日本のウイスキーにとっても大切な町

※地域区分に関しては諸説ございますので、
 あくまでも大まかな分類の一例と捉えていただけますと幸いです。



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