ミャンマー チャオクレ村 マイクロミル ウォッシュト
Loop coffee(やさしいコーヒー)
群馬県みどり市にある「珈琲バール karei」が、環境や人、動物に「やさしい」コーヒーを、月に一度お届けするサブスク「Loop coffee」。
本記事では、今月お届けしたコーヒー豆の「ストーリー」をご紹介します。
ミャンマーの森を守りたい
「森を再生したい」という熱い思いを持ってコーヒー栽培に取り組んでいる、ミャンマーのシャン州ユアガン地区、チャオクレ村のチョウゼンさん。
この地域は、木材利用やプランテーション利用の目的で、地域住民による森林伐採が進み、森の貯水力が低下していました。
チョウゼンさんは、共有林の保全を目指して、まずは植林に取り組んでみたものの、周辺住民の理解が得られず伐採は止まりませんでした。
悩んでいたときに、森の中でコーヒーを育てるという方法を知り、2015年からコーヒーを植えはじめました。
森林を伐採せずにコーヒーを植え、育てることが収入につながるため、環境問題への関心が薄い周辺住民からも協力が得られるようになりました。
その結果、2020年までの4年間で、枯れていた池には水が戻り、野生動物が増えてきました。
ミャンマーにマイクロミルをつくろう
「ミャンマーにマイクロミルをつくろう」プロジェクトは、日本の商社やロースター、現地の農家さんと一緒に、シャン州ユアンガン地区の20の村に、コーヒーの小さな加工場「マイクロミル」をつくろうというものです。
コーヒーチェリーから、果肉を除去する機械や発酵させるための大きなバケツ、コーヒー豆を乾燥させる棚。そうした設備を整えれば「マイクロミル」が完成します。
その結果、コーヒーの加工までを村で手がけられるようになり、農家さんの収入の向上につなげられるのです。
コーヒーは精製や発酵の方法など、さまざまな要素で味わいが変わります。20の村、それぞれの個性をもったコーヒーをつくることができます。
そして、ついにできあがったのが、今回お届けする「チャオクレ村マイクロミル ウォッシュト」です!
プロジェクトの成果
それまで現地の農家さんは、収穫した豆をコーヒーチェリーの状態で販売していました。ところが、村につくったマイクロミルで精製できるようになったことで、例年に比べて収入が2倍以上に増加しました。
また、成果はそれだけ留まらず、彼らが精製技術を習得したことで、品質向上に向けて継続的に取り組めるようになりました。
皆さんもご存じの通り、2021年2月にはミャンマーで軍部によるクーデターが起こりました。発生して2年が経ちましたが、事態打開に向けた進展は見られません。
ミャンマーの先行きは不透明で、農家さんは不安を募らせています。そんな状況だからこそ、コーヒーが彼らの希望になるのではないかと思います。
ミャンマーの農家さんの力になれるコーヒー。情景を思い浮かべながら、この機会にぜひご賞味ください。
※本内容・写真は、生豆を購入した「海ノ向こうコーヒー | 産地のストーリーとともにお届けするスペシャルティコーヒー (uminomukou.com)」さまより引用、加筆させていただきました。