コラム 石垣島から見る「オキナワ」

沖縄県最大の島であり、県庁所在地である那覇市を有する島。その島を何と呼ぶだろう?
国土地理院が定めている名称は「沖縄島」であるが、ほとんどの人は「沖縄本島」と呼んでいる。
石垣島でも「沖縄本島」という呼称は一般的だが、沖縄島を指して単に「オキナワ」と呼ぶ人も実は多い。
つまり石垣島の人々は、はっきりと沖縄島と石垣島を区別している訳である。
歴史的に沖縄は本土からの差別を受けていた(受けている)ことは知られているが、琉球王国時代の沖縄島から石垣島や宮古島等の島嶼(とうしょ)に対する重税の歴史や、現政権の離島軽視と捉えられる態度など、所謂「離島差別」と呼ばれるような、差別の入れ子構造のなかに石垣島は存在している。
そうした背景の中で、石垣島に住む人の中には沖縄島を「沖縄本島」と呼ぶことに批判的な人も存在している。(「離島」という呼び方も差別的であるという向きもある)
私自身は長らく沖縄島のことを「沖縄本島」あるいは「オキナワ」と呼んでおり、最近は出来る限り「沖縄島」と呼びたいと思っているのだが、あまりに「沖縄本島」の呼称が一般的すぎて、特に沖縄県民と話す際に「沖縄島」呼びをすることの違和感が拭えず難儀している。
あの島をどう呼称するかはもちろん自由ではあるが、石垣島に観光で訪れた際は、こういった認識、あるいは事実もあるということを頭の片隅にでも浮かべてもらえると幸いである。[はと]

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