明け行く街の空に放たれるゴスペル / Laura Nyro
彼女の歌声を引き継ぐのは誰?
20代の終わりに始めた小さなバーでお客さんの居ない夜には本を読みながらよくLauraを聴いてた。今でも彼女のレコードを聴けばその頃のことを思い出す。
明日のことなど考えず先の不安をお酒と音楽で紛らわしてた日々・・・
(今だってたいして変わらない毎日だけど)
当時行きつけのレコード屋さんの店主に薦めてもらったのがアルバム『Gonna Take A Miracle』。
その頃ロックよりもソウルミュージックにのめり込んでいてフィリーソウルは最高だね、なんて生意気言ってた僕には誂え向きのレコードだった。
(プロデュースは Gamble and Huff 録音は Sigma Sound Studio の
フィラデルフィア仕立て。)高校生の時に達郎さんの『On The Street Corner 』を聴いていたから、
アカペラで唄う Spsnish Harlem を聴いて,なるほどそうなのかー!と自分だけ宝の鉱脈を探し当てたような気分になってそれからというもの彼女のレコードを遡って全部集めたりもした。
(ちなみに達郎さんの事務所の名前は『スマイルカンパニー』で会社名は『テンダーベリーミュージック』どちらも Laura のアルバムタイトルから。たぶんね。)
達郎さんのファンで彼女を聴いたことないのであればそれではまさに木を見て森を見ず、ということ。でも決して今からでも遅くはない。これから Laura Nyro という深い森に入って行けるのだから。
このほど1994年の再来日(初来日1972年)のライブ盤のレコードが初プレスとなってRecord Store Day の限定盤としてリリースされた。(CDでは2003年に。)
そうこの時の渋谷でのイブに僕は居た。大阪でのライブがほぼ収録されてはいるが5曲ほど渋谷のバージョンも含まれている。たしか僕の観た渋谷講演の1曲目『Oh Yeah Maybe Baby』だったと思う。
レコードを聴いてるとあのステージが蘇る。Lauraのピアノと3名の女性バックコーラスというシンプルな構成だったけれどそれが返ってじっくりと彼女の唄に身委ねるにはぴったりだった。
この度のアナログ化は世界限定1000枚だけあって争奪戦。僕は運良くレココレ誌などでローラのレコードを解説している I氏からなんとか 1枚譲ってもらった。それにしてもアナログ化は嬉しいけれど28年も待つなんてね。Lauraはこの後、病いに臥し1997年に亡くなる。まだ40代という若さだった。たぶん今回のレコードを買うのはかつてのファンだけかもしれない。Lauraのようなアーティストは達郎さんがラジオでかけるくらいなもので 一般の音楽ファンでさえそう耳にすることはない。サブスクでも自分で探し当てないとお薦めにも出てはこないし。20代の頃に彼女の作品に出逢ったのは今でもラッキーだったと思う。未だにレコードを聴くたびにいろんな発見があるからね。だからこそ Laura のリクエストが有れば(おじさん以外😅)いつだってターンテーブルに載せるさ。
↑ この曲はアナログレコードには収録されなかった。(プロモオンリーであるらしいけれど10マン超えらしい😓)でもこうしてサブスクで聴けるのだから今は幸せだね。