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この春は妻と台湾に行きたかった
昔、東京のブラジルレストランで働いていた頃のこと。僕、ポルトガル語(ブラジルではポルトガル語が話されてます)が日常会話くらいだったらわかりまして、ある日、白人男性2人組が来店したので、僕が接客をすることになったんですね。
彼らと会話を始めたのですが、ほとんどが知っている単語のはずなのに、言っている意味がわからないんです。
最初は、スペイン語かなって思ったのですが、確かにポルトガル語なんです。でも意味がつかめなくて、途中で「あ、この人たちはポルトガル人なんだ」って気がつきました。
ポルトガル人が話すポルトガル語と、ブラジル人が話すポルトガル語って、イギリス人の英語とアメリカ人の英語のように「同じなんだけど、すごく違う」んですね。
知ってる単語だけど、発音が違いすぎて、意味がつかめなかったんです。
世界に言語って7000くらいあるそうなんですね。
それって、16世紀頃のポルトガル語が、元々は同じだったのに、ポルトガル人が500年もヨーロッパで使っていて変わったのと、ブラジル人が500年も南アメリカで使っていて変わったのが、結果「すごく違ってしまった」ように、
同じ言語だったのが、どんどん分かれていって、分かれた先でも他の言語からの影響もあったりして、結果違う言語になってしまって、今はそれが7000種類もあるということなのだそうです。
ちなみに言語ってどうして変わっていくのかという理由ですが、一説によると、「仲間内だけで通じる言葉を僕たちは好むから」なのだそうです。
「マスコミ業界人だけに通じる逆さま言葉」とか「女子高校生だけで通じる言葉」とか「意識高い系の人たちのカタカナ言葉」とかありますよね。
あれって、自分たちは、他の人たちとは違うんだよというのを、仲間内で確認するための言葉ですよね。
そういう「僕たち、君らとは違うんだよ」という気持ちが、お互いの言葉をどんどん変化させて、遠くなっていって、方言だったのが違う言語になって、結果、言語を7000にもしたのだそうです。
人類が言葉を獲得した日から、ずっと僕たちは「君たちとは違うんだよね」っていうのを繰り返し続けたんですね。人間ってやつは…、です。
ところで僕、文章を書いていて、何が嬉しいって、「自分の文章が外国語に翻訳された瞬間」なんですね。
「僕たち違うんだよ」という言葉が、「僕たち同じなんだよ」という言葉に戻してもらえた喜びなのでしょうか。
例えば、中古レコードの魅力と渋谷のおすすめレコード屋について書いた文章が英訳されたり
韓国人のジノンさんとの往復書簡ブログで、僕の言葉が韓国語になったりって、すごく嬉しいんです。
そして、先日、僕の『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』が台湾で出版されたんですね。
この僕の小説、勝手に僕の中だけで2つ隠れコンセプトがありまして。
①21世紀初頭の東京の街を描写しておこう
僕、妻と東京を歩くのが好きなのですが、東京の街って色んな表情があって、それを描いて残しておきたくて、意識的に渋谷、広尾、神楽坂、高田馬場、上野、井の頭線とかを描きました。
②1980年代後半のバブルの日本のあの感覚を描いておこう
当時、『ハートカクテル』というマンガが流行りまして、キラキラしていて、未来は明るくて、みんなが音楽を聴きながらお酒を飲んで恋を語っていたんですね。それへのオマージュみたいなのを描いてみました。
そういうのが、台湾の人ってどういう風に感じるのだろうって、すごく興味がありまして、今、Instagramで、僕の『愛情總是不經意地開始不經意地結束』がアップされたら、大急ぎで翻訳して、「なるほど。こういう風に読んでくれているんだ」って確認しているところなんです。
それで、このnoteのハッシュタグで、「#この春やりたいこと」ということですが、「本当だったら、妻と台湾旅行に行きたかったな」なんです。
現地の本屋を回って、その場で買って、「実はこの本の著者なんです。このために台湾に来ました。POP書いても良いですか」って回ったり、綾女くんが作ったこの本を参考にして、台湾の小さい本屋さんを回ったりしてみたいんです。
そしてその旅行記をnoteに書いて、また台湾の言葉に翻訳して、台湾の人にも読んで欲しかったなって思いました。
ご存じかどうか、僕、自分の本が出たら、出版社とは別に、「勝手に自分でプロモーション」っていうのを毎回しているんですね。本って自分の子供と同じで可愛くて、最後まで責任を持ちたいんです。
今、こんな状況で台湾に行けなくて、でも台湾で僕なりにプロモーションがやってみたくて、何か良いアイディアはないでしょうか?
もし良ければ、コメント欄に「台湾でのプロモーションの良いアイディア」を教えてください。よろしくお願いいたします。
『恋はいつもなにげなく始まってなにげなく終わる。』って何? という方は、こちらで読めます。
こちらで買えます。
『愛情總是不經意地開始不經意地結束』の台湾でのリンクです。一応、Google検索で上の方のを貼っておきます。
ちなみに、このハッシュタグ企画では、
このコンテストに投稿する、あるいは投稿された作品に対して、スキorシェアしていただくと、アクション1件=10円が資生堂から医療現場へ寄付されます。
また、応募作品をTwitterでシェアする際「 #つづけよう手守り習慣 」のハッシュタグをつけてProjectへの賛同を示すことで、ツイートへのいいね!やRT(1件につき一律10円)もまた寄付の対象となります。
だそうです。「スキ」と「シェア」、もし良ければお願いいたします。
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