飽きるって偉大

なぜ人間は料理を始めたか、料理の起源ってご存じですか?

あるとき、天才シェフがこの地球に現れて、「美味しいとは何か」を追求して、たくさんの料理方法を考案した、ってわけではありません。

 ※

田舎から「ドーン!」と、野菜とか果物とかが送られてくるとき、ありますよね。

例えば今なら、青森出身の方は田舎から「ドーン!」と1箱リンゴが送られてきます。

それ、最初のうちは普通に生のまま食べて「やっぱりリンゴは美味しいなあ」と感じますが、3個4個と食べているうちに飽きてきますよね。

なんかリンゴを見るのもイヤになっちゃいます。

そんなとき、「じゃあアップルケーキでも作ろうかな」とか、「じゃあサラダにしようかな」って感じで、色々と違う食べ方を模索しますよね。

それが料理の起源なのだそうです。

昔は流通や保存方法が整っていなかったから、その地方で何かがたくさん穫れると、「ドーン!」とそれだけでいっぱいになったわけです。

そしたら、そればっかりを食べるのはさすがに飽きてくるから、何か違う食べ方を、って考えて、焼いてみたり、干してみたり、発酵させたりして、また何か別の食材を加えたりして、「料理」が始まったそうなんです。

はい。料理って、「何かに飽きてしまうこと」から始まったそうなんです。

僕、常々、人間の「創作意欲」ってどこから来るんだろうって考えるんですね。

誰かに「すごくいいよ、君、天才だよ」って言われたくて、賞賛されたくて、いわゆる「承認欲求」が一番大きいのかな、とか。

やっぱり「お金儲け」でしょ。新しいアイディアで、ガッポガッポでしょ。そりゃ、人間誰しもお金が一番嬉しいもん、とか。

「モテたい」って大きいと思う、やっぱりギター弾いて歌ったらモテるし、いい小説を書いてヒットしたらモテるし、モテるって大きいよ、とか。

いや、純粋に、「何か新しいものを創造する」ってこと自体が喜びなんだと思う、とか、まあ色々と「創作意欲」の理由ってあるかと思うんです。

 ※

でも、本当は「ずっと同じだと、飽きてしまうから、別のことを始める」っていうのが、一番、根っこの部分なような気がします。

新しいお店、新しいファッション、新しい音楽、新しい人間関係、新しい職場、新しい家、新しい恋、などなど、僕らは常にいろんな「新しいもの」を追いかけますよね。

あれ、ただ単に「前のが飽きちゃったから」なんです。

たぶん、「飽きる」って偉大なんです。

飽きっぽい人って、「次の何か新しいアイディア」を思いつく人なんです。

どんどん飽きて、次の何か新しいものを思いつく、そんな人たちがこの世界を「前に」おし進めているような気がします。

#コラム

色んな質問に答えた本が出来ました。『ちょっと困っている貴女へ バーのマスターからの47の返信』 https://goo.gl/dZ32IW 立ち読みできます!
https://goo.gl/Q6mRvL

bar bossaに行ってみたいと思ってくれている方に「bar bossaってこんなお店です」という文章を書きました。→ https://note.mu/bar_bossa/n/n1fd988c2dfeb

この記事は投げ銭制です。面白かったなと思った方は下をクリックしていただけると嬉しいです。おまけでちょっとした個人的なことをほんと短く書いています(大した事書いてません)。今日は「マウスを買ったのですが」です。

ここから先は

133字

¥ 100

サポートしたいと思ってくれた方、『結局、人の悩みは人間関係』を買っていただいた方が嬉しいです。それはもう持ってる、という方、お友達にプレゼントとかいかがでしょうか。