ばりすた☕️脳神経内科

医師で、脳神経内科専門医として働いています。脳をはじめとした医療の情報や、個人的な雑感などをnoteに書いていきます。Twitterもフォローして下さいね!https://twitter.com/bar1star

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最近の記事

ラケット破壊の役割

【2023年7月8日 大幅追記】 最近、テニスにおけるラケット破壊が話題になっています。 日本人トッププロの西岡選手が全豪オープン4回戦まで行く偉業を成し遂げながらもラケット破壊が大きく取り上げられてしまったり、先日はブブリク選手が3本ラケットを折ったのが話題になりました。 こういうのを見ると、サッカーに例えればラフプレーばっかり特集して報道されているような気持ちになりますし、 「道具を大事にしないプロなんてありえない」 「〇〇選手(他のスポーツのプロ選手)ならそんなこと

    • 傷つける笑いのブレークスルー

      皆さんは今年のM-1グランプリ、見ましたか? 今年の決勝はウエストランド、ロングコートダディ、さや香がしのぎを削り、見事ウエストランドが18代チャンピオンに輝きました。 優勝が「悪口漫才」であることはメディアでも取り上げられているし、僕が見る限りTwitterでも話題になっています。僕はこれを見て、「笑いとは何なのか」をすごく考えさせられたんですよね。 このノートでは、ウエストランドの優勝に見る「傷つける笑いのあり方」について完全に独断と偏見で考えていきたいと思います。

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      • 小児へのコロナワクチン接種

        【この記事は有料設定になってますが、無料で最後まで読めます】 今のところ厚労省の発表ではワクチン接種は9月30日までの予定となっていて、残り2か月弱という状況です。 日本の8月1日時点の小児への接種率は、 5-11歳:16.9% 12-19歳:74.9%です。 これは高い数値なのでしょうか?低い数値なのでしょうか? 打たせた方が良いのでしょうか? 色々な情報が氾濫して心配だと思いますので、まとめてみようと思います。 とは言っても、↓の紙谷先生の記事に全部書かれている

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        • AA05うめぇwwwww

          またサイゼが燃えている。 いや、正確に言えば今回にしてもこれまでにしても、サイゼが燃えたことはない。サイゼを話題にした人が火元になり、人々が燃え上がっているだけである。 そのツイートがこれだ。 ポエム的な言い回しと、みんな大好きサイゼリヤの名前が挙がっているせいか、めちゃくちゃ燃えている。 僕は千葉氏の他の発言も含めて「こういうことが言いたいんだろう」というのは分かったつもりだし、多くの人から「サイゼを攻撃した」と見做されたが故に内容まで目が向けられないのは勿体無い。

          医師国家試験 神経領域の解説E-F

          はい、では続けていきます。 EFは問題のボリュームが少なかったので、ちょっとやる気が低下していました(言い訳) 〇a 脳性麻痺とは、(定義がややブレる表記も見られますが)生後4週間までに生じた脳への何らかの障害によって(例えば感染症であったり物理的損傷であったり)、運動機能が障害されることを指します。上位運動ニューロン障害なので、痙性麻痺になります。 他の選択肢はすべて筋緊張低下・腱反射低下がおきます。 神経の領域ではないのですが、「意識を失った」というと「脳の科!」と

          医師国家試験 神経領域の解説E-F

          国家試験 神経領域の解説D

          さてさて。続けていきます。問題はおなじみこちらから。 なんと。ちょうどVoicyで触れた内容が出てきましたね。 保護されてからの記憶も保たれていることから、意識障害ではないことが分かりますね。「私は誰」は映画とか漫画であるタイプの”記憶障害”のやつですね。”記憶障害”なのに、秘密兵器は何故か扱えたりします。スパロボAのアクセルみたいな感じですね。この「私は誰」状態の記憶障害は、基本的には脳の病気や認知症などではなく、精神的な問題であることが多いです。 ×a これは別名カ

          国家試験 神経領域の解説D

          医師国家試験 神経領域の解説C

          さて、続けていきます。A、Bともに引っかかる問題があったので、さすがに速報等と照らし合わせることにしました。 REM睡眠のREMはRapid Eye Movementです。 ×a 徐波睡眠は、NonREM睡眠のうちsleep stage Ⅲ、Ⅳを指します ×b むしろ骨格筋の活動は抑制されています。この抑制が外れてしまうのがREM睡眠行動障害(RBD)で、怪物から逃げる夢を見て実際に寝たまま走り出したりしてしまうわけですね。運動が抑制されているため、変な夢をみても怪我しない

          医師国家試験 神経領域の解説C

          医師国家試験 神経領域の解説B

          はい。それでは解説を続けてまいります。 問題は同じくこちらから拝借。 これは一発dですね。 患者さんに自分の鼻、医師の指、を交互に指でタッチしてもらう検査は 「指鼻試験」ではなく「鼻指鼻試験」が正しいです。こういう所を見て「ニチャァ…」と笑うのが我々脳神経内科医。 鼻指鼻試験は意識障害があれば、当然検査を正しく行えません。逆に言えば他の診察は意識障害があってもできるので、ちゃんと所見をとろうねというメッセージでもあります。 「先生!意識障害、JCSⅢ-200です!えっ…身体

          医師国家試験 神経領域の解説B

          医師国家試験 神経領域の解説A

          2月5-6日と、医師国家試験がありました。 受験生の皆さんお疲れさまでした。 というわけで神経領域の問題の解説&周辺知識の整理をしていきましょう。 なお僕は念のため調べたりしてますので、受験生の方が見て「いや分かんねーよこんなん」という問題もサラっと解説するかもしれませんが、気に病まなくて大丈夫です。 ということで問題はこちらからスクショしました。 早速参りましょう。 実は血管性認知症の定義って少し難しいところがあるんですが、 「認知症の診断基準+脳血管障害との時間的前後

          医師国家試験 神経領域の解説A

          ロバート・マローン氏の動画について

          今回、医療従事者の見解を聞きたいとTwitterでご依頼を頂いたので、返答いたします。 ↓ご依頼の内容はこちら↓ ということで、ロバート・マローン氏およびこの動画の内容について検証します。 ローバート・マローン氏はwikiに >COVID-19ワクチンの有効性と安全性に関する誤情報を拡散しており、批判を浴びている としょっぱなに記載されている人物です。 https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AD%E3%83%90%E3%83%BC%E

          ロバート・マローン氏の動画について

          医者は"PCR検査抑制派"なのか?①

          Twitterやっていると何度となく飛んでくる言葉の1つに"PCR抑制派"というのがあります。最近は聞かなくなりましたが"(検査)スンナ派"とかもありましたね。 「とにかく検査を!」という声に対して「検査をするだけでは感染抑制に劇的な効果はないですよ」という話をした場合によくこの言葉が飛んできます。 そう言う人たちは「1日あたりこれだけの数をこういう対象に検査すべきだ」という形での提案をしてくれません。そういうことなら、こちらも建設的に議論ができるというものですが。 さ

          医者は"PCR検査抑制派"なのか?①

          サードドア

          140字以上の文を書くリハビリと備忘録を兼ねて、読んだ本の感想を書いてみることにしよう。 今回読んだ本は、サードドア~精神的資産の増やし方~。著者のアレックスバナヤンは1992年生まれ。彼は南カリフォルニア大学在学中、期末試験の前日にテレビ番組に参加して賞金を稼ぎ、それを元手に世界の著名人たちにインタビューして成功の秘訣を聞く、というミッションを達成してこの本を著し、有名になった。インタビューした相手はビルゲイツ、レディーガガ、スティーブンスピルバーグなど名だたる面々である

          脳神経内科医のおしごと①

          はじめに僕は脳神経内科という科の医師をしています。 脳神経内科って聞き慣れないな 精神科・心療内科・脳神経外科と何が違うの? って思われる方も多いと思います。 そんな脳神経内科が何をしているのか、どんな時に受診したら良い科なのかをお伝えしたいと思います。 そしてもし学生さんや研修医の方がいたら、脳神経内科の魅力の一端をお伝えできたらと思います。 めちゃくちゃボリュームのある話になってしまうので、何部かに分けます。 脳神経内科が診る病気僕たち脳神経内科医は、脳・脊

          脳神経内科医のおしごと①

          “表情力”について考えてみる

          人を惹きつける人はなぜ魅力的なのか一時期の僕は、人間関係が充実しているという実感をあまり持てませんでした。合コンでモテるのはイケメンの友人ばかり。トークで巻き返しを図ろうとして空回りしては凹み、テストや課題が多かったりで気分も落ち込み、テンション低めの日々を送っておりました。 そんな中、1つの出会いがありました。 多数のバリエーションを誇る容姿・キャラ・黄色い声の波状攻撃。 そう、AKB48です。 あれはちょうど「ポニーテールとシュシュ」がリリースされた時でした。街のあ

          “表情力”について考えてみる