【記憶】幼年期の終わり…アーサー・クラーク
coucouさん、おはようございます。
夜半からの雨音が🐸の休日を鎮めてくれています。
☆
アーサー・クラークのSF小説に
「幼年期の終わり」という傑作がありました。
わたしの生涯に、少なからぬ影響を与えた作家で、
「海底牧場」という作品を読んで
海が好きな人見知りの少年は、
イルカの言葉を勉強したいと
水産学部への進学を決意しました。
☆
さて、「幼年系の終わり」
内容はよく覚えていないのですが、
地球人が進化して宇宙人となる日まで、
宇宙船でやって来た宇宙人が
地球を『統治』する話だったと思います。
☆
宇宙人の統治は理想的なもので
世界の紛争はすべて収まります。
すべての人が平和に、しあわせに生きています。
そのうち、超能力を持った子どもが生まれて来て
それによって宇宙人の揺りかごとしての地球の役割が終わり、
子どもたちが宇宙人の仲間として旅立って行く、
そんな内容だったと記憶しています。
☆
今、欧州、中東、極東に紛争が拡大する恐れが高まっています。
中東の紛争は、聖書の時代から続いている、
人類の負の一面から生じる種類の
紛争ではないかと感じています。
紛争(の火種)は有史以来の勢力拡大を目的とした、
自己中心的なものではないでしょうか。
そのような未熟な心が支配する地球では、
宇宙人の一部である地球人は育たないから、
宇宙人が統治する必要があったのでしょう。
若干、太平洋戦争後のGHQによる占領政策を連想します。
日本の統治に送り込まれた米兵については、
おそらく今、沖縄に駐屯する米兵と大差ないのだろうけれど、
占領政策を考えた学者は、
本国アメリカではできなかった社会実験を試みたのではないかと、
素人考えですが、思っています。
学者の理想論を、日本新政府によって現実化したのではないか、と。
「幼年期の終わり」では、
それまでの地球人が持っていた文化は一掃され、
宇宙基準の平和な文化に置き換えられます。
そうでなければ、
平和は実現しないという暗示なのかもしれません。
戦後の日本では、
おそらく朝鮮戦争の勃発と言う要素によって、
同様に、日本古来の文化習慣を一掃しようとする試みは
失敗に終わり、
中途半端な「改革」に終わったのかも知れません。
クラークが「幼年期の終わり」を発表したのは
🐸が生まれる前年、1952年のこと。
1950年に朝鮮戦争が始まり、
マッカーサー司令官はトルーマン大統領に
再び戦略的な理由から原爆投下を進言し、
解任されている。
結局、1953年に朝鮮戦争は終わるが、
日本の民主化は、根っこに日本文化を残したまま
アメリカ(国連)が意図していたような平和国家は未完のまま
今日に至っているのだと思う。
☆
🐸は、決して日本古来の文化を否定しない。
その土地の文化が尊重されない「支配」は
結果として市民の反感が募って
独立戦争につながっていくのだと思う。
GHQ、国連軍司令部は、
日本での実験的統治が順調であったことを、
その後の、植民地独立後の統治で役立てたことと思う。
それでも人間としての欲望は
権力を持った人間をして、
自己の利益を優先させてしまう。
「幼年期の終わり」のように、
地球上の総力を挙げて戦っても
歯がたたない宇宙人の到来以外には、
今の紛争を収める手立てはないのかも知れない。
かなしいことです。