心の鏡~ばっぷくどん40号
先日、高校生に
「人生は思いどおりにならない」という話をする機会がありました。
45分ほどで話さねばなりませんでした。
しかも、視聴覚室のカメラに向かって話すだけで、
反応してくれる人が居ないのです。
話に反応してくれる人は、わたしのことばを映す鏡。
話すことは『キャッチボール』なのだと思い知らされた時間でした。
☆
わたし自身のことを「自分」と言います。
あなた自身のこともやっぱり「自分」と言いますね。
人は誰でも出来るだけ自分を納得させながら生きています。
誰かのために生きているとゆう人も、
自分が喜べるからその人のためになることをしている。
そう考えると
やはり自分を満足させるために生きていると言えます。
みんながそうなのです。
しかも、一人として同じ心を持つ人はいないのです。
あなたが満足できることが、
他の人も満足させるなら、
人生は思い通りになることでしょう。
実際はそうではありません。
それでも、仲が良い者同士は、
お互いの満足を譲り合い、折合いながら生きていけます。
わたしたちの悩みは、
わたしとあなたの満足できる内容が違うために生まれます。
しかも、
つきあいが続くうちに、
いくつもの事柄が重なり合って悩みが深くなることが多いものです。
困ったことにそれは、
いつか爆発してしまいます。
信頼と思いやりがあっても、そうなってしまうのです。
★
わたしたちは誰一人として、
一人では生きてゆけません。
深い浅いはあるけれど常に、
誰かと付き合いながら生きています。
さて、あなたとの付き合いが一番深いのは誰でしょうか。
その人とあなたの関係は対等でしょうか。
それとも一方が相手の面倒を見ることが多い関係でしょうか。
たとえば親子関係のように。
子どもは、色々な意味で未完成。
自分で自分の面倒を見ることも不完全。
人との折合いもまだ十分ではありません。
とくにあなたには甘え、
思い通りに動いてもらえないと腹を立てることもあるでしょう。
たとえわが子でも、
あなたの思い通りにはなりません。
☆ ★
あなたは子どもを、
自分の分身だと考えてはいませんか?
それは悪い事ではありません。
子どものためが、自分のためでもあるからそれで良いと思います。
ただし、
あなたの考えをそのまま子どもにあてはめて、
「あなたのため」だからと有無を言わせず従わせるのは間違いだと、
あなたは分かっていると思います。
分身ではなく、
子どもを鏡に映ったあなただと思ってはどうでしょうか。
鏡の中のあなたと、心の中で対話して、
「子どものため」ということを話し合ってみるのも
面白いかも知れませんよ。