北欧サスペンス シリーズ"ミレニアム"・ハリウッド版『蜘蛛の巣を払う女』ーいまいち! 2020.6.27
原作小説のシリーズが好きな人はがっかりしたのではないかな。私もそのひとりです。それならいっそ、設定だけいただいて、スーパー女性ヒロインアクションにしてしまえばいいのに。
時代は現代。つまりスマホ全盛の時代。SONY映画だからiPhoneでてきませんが。天才ハッカー、リスベットは、女性の敵をやっつける女義賊のような存在になっています。化粧も地味になり、ピアスも少ない。背中の「龍」は健在です。なぜかそんな彼女にきた仕事が、世界を震撼させる核コントロールシステムのハッキング。
もうひとりの主役、ジャーナリストのミカエルは、やや落ち目の感じで、彼が始めた硬派雑誌『ミレニアム』は、ノルウェーの企業の傘下になっています。彼は、SNSの時代にのりおくれた存在、といわれています。音信不通だったリスベットが、謎の一味に襲われ、助けをもとめられるのですが…。これが大して役にたたないんです。頼りになるのは、ハッカー仲間のプレイグ君、このオタクの存在が面白い。
原作はかなり入り組んだストーリーです。3作まで書いて他界した、スティーグ・ラーソンのあとを受け、元ジャーナリストのダヴィド・ラーゲルクランツが書き継いだ4作目。ストーリーを単純化し、かなりはしょっています。スリリングなアクションの連続、わかりやすいビジュアル表現など、一応世界標準。
スウェーデンらしさでいえば、追跡の手を逃れ、オートバイであわや湖に(湾かな?) ジャンプ、あわやのところ。水面がガチガチの氷になっていて、というところでしょうか。
これは、口直しにもういちど原作を読まなくては。
2019年1月11日日本公開
原題:The Girl in the Spider's Web
製作年 2018年
製作国 イギリス・ドイツ・スウェーデン・カナダ・アメリカ
配給 ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
上映時間 115分
監督 フェデ・アルバレス
製作総指揮 デビッド・フィンチャー他
原作 スティーグ・ラーソン
出演 クレア・フォイ/スベリル・グドナソン