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障害をプラスに。ものづくりに垣根はない!
「BANZAI」には、ご挨拶で述べさせていただいた他に追記したい大切なビジョンがあります。
それは、伝統や継承といった伝統工芸のイメージからはピンとこないかもしれません。
それでも、実現させたい「BANZAI」のこだわりです。
私は以前、障害のある方々が働く場を取材させていただいたことがありました。
就労内容は調理、DM封入、チラシの折り込み、マスコット作り、カフェの接客等々。
どの取材も私にとってとても印象深く、たくさんの気づきをいただいた貴重な経験になりました。その中でも、忘れられないのがマスコット制作。「ソックモンキー」という、アメリカではポピュラーな人形の手づくりの現場取材です。
「ソックモンキー」、知っていますか?
ソックモンキーは靴下で作られたぬいぐるみのことです。貧しくて孫にプレゼントを買えなかった女性が、靴下でサルのぬいぐるみを手作りしたことから生まれたという言い伝えが残っていて、海外では今でも家族愛の象徴として愛され親しまれているそうです。
取材時、知的障害のある方が作った「ソックモンキー」を見せていただきましたが、一つとして同じものはなく、それぞれが個性的。どの人形にも思わず名前を付けてあげたくなるような親しみやすさ、くすっと笑ってしまうユニークさ。見ていてもあきることのない愛らしい人形は、作った人の温もりがいっぱい詰まっているようで、なんだかやさしい気持ちになれたのを覚えています。
作り手の皆さんは知的障害のある方です。そして、人の心をとらえる素晴らしいアーチスト。障害は決してマイナスではなくプラスになる。
一心不乱に人形を作る姿を見ていると、そんな思いが頭の中を駆け巡りました。
固定概念をなくせば、きっと可能性は広がっていく。限界や縛りを作っているのは自分自身なんだ。
この時の気づきを、「BANZAI」に生かしていきたいと思っています。
ものづくりに“障害者”という垣根はありません。誰にも真似することができない個性や感性を持つ存在に光をあてて伝え広めていきたい。
奇想天外な発想で描かれたイラスト。丁寧な手仕事が際立つ紙漉き和紙。オブジェのような木工作品。一度見たら忘れがたい魅力ある作品がたくさんあります。
「BANZAI」のバリアのない取り組みが、多くの方にご賛同いただけると幸いです。
企画・編集担当 前田理恵