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咀嚼音、くしゃみ、咳払い、あくび、会話、笑い声...これらが嫌いで仕方がない人。[ミソフォニア]

皆さんは、「ミソフォニア」という言葉をご存じだろうか。

ミソフォニア(音嫌悪症):
咀嚼音や呼吸音など、特定の日常音を聞くことで、過剰な嫌悪感や怒りを感じてしまう症状。

https://grouphome-family.com/news/misophonia/

人によって、特に苦手とする音は異なる。
私の場合、次の音に過剰な嫌悪感を示してしまう。

・咀嚼音
・呼吸音
・くしゃみ
・鼻すすり
・咳払い
・あくび
・いびき
・麺をすする音
・会話
・笑い声


他にも、こんな音を苦手とすることが多いらしい。
こういった音を、「トリガー」と言ったりなんかする。

・タッピング音
・クリック音
・ため息
・口笛
・動物の鳴き声
・飴を舐める音

普通の人ならば、「え、別にいいでしょ…」と思うような音に対して、私は発狂したくなる。ていうか、殺意を覚える。

例えるなら、みんなが苦手な黒板を引っ掻く音。ふざけて鳴らす男子に本気で怒りを覚えた人もいるのではないだろうか。

それと同じくらい、トリガーの音たちを憎むのだ。


一番辛かったのは、受験期。
冬の寒い時期に模試を受けると、決まって一人は鼻をずるずる鳴らす人がいた。咳をしている人もいた。

吐き気がするほど嫌だった。

当然、問題には集中できず、ひどいときには机に突っ伏して、耳を塞ぎ続けることしかできなかった。

帰り道、本気で殺してやろうかとも思った。


それから、食事をするときの音が苦手だ。
私の父や兄は、咀嚼音が大きい。あるときから、一緒に食べるのが苦痛で仕方なくなった。
食欲が完全に失せてしまい、ろくにご飯が食べられない時期が続いた。

最近では、こっそり時間をずらして食べている。


電車の中も苦手だ。
そこそこの人がいる時間帯、決まって誰かが咳払いをする。
数分に一回は、誰かが、何かしらの音を立てる。

最悪だった。

いつ日か、ノイズキャンセリング付きのヘッドホンが手放せなくなった。

ノイズキャンセルをしても入ってくる、
微少な音も辛くて、常に音楽を聴き続けた。


そもそも、人が多い場所が怖い。
ミソフォニア以外の原因もありそうだが、
とにかく人が出す音が苦手すぎた。

特に、全く知らない大勢の人たちが、大声で喋り、笑い声をあげていると、心臓の奥がキュッとなった。

大学のカフェテリアや居酒屋は、近づかないようにした。


ここまで読んで、あなたはどう思っているだろう。

もし同じ症状を持った人がいたら、少しでも共感してくれたら嬉しい。

そして、ミソフォニアは一つの個性だということを、忘れないでほしい。
裏を返せば感受性が豊かで、聴覚が敏感だということ。
ダーウィンやカフカ、プルーストはミソフォニアだったという説がある。
これは、私たちにしかない、素敵な超能力なのだ。

もし自己中で短気で最低な奴、と思ったら、どうか許してほしい。

なぜなら自分でもわかっているから。
こんな些細なことで他人を憎んでしまうことが、本当に情けないと思っているから。

私だって、ご飯を食べるときは咀嚼音が出てしまうし、くしゃみも我慢できない。あくびもするし、大きく深呼吸もする。

私が、他のミソフォニアの人に苦痛を与えている可能性だってある。


だから、決して被害者だと言いたいわけじゃない。
だけど、知っていてくれると、嬉しい。
私もなるべく、自分が生きやすいように、周りも暮らしやすいように、
工夫するから。

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