1週間ぶり鍵盤が帰ってきました。
京都のピアノヨシカワさんに入院していたグランドピアノのアクション部分が退院。約1週間ぶりのご対面でした。
車より降ろされしずしずと運び込まれてまいります。
待ってたよ〜〜!!
今回のオーバーホールの内容は、
・上部に見える緑色の分厚いフェルトの張り替え
・真ん中に見える鍵盤を支えるピンの全打ち替え
・ピンに取り付けてある白と緑の丸いクッションの全交換
・ピンにはまる各鍵盤に3カ所ある穴の赤いフェルトクッションの全交換
・その他
それらの部品を交換して、鍵盤の高さや強さの調整その他を施され、気の遠くなるような作業工程を経てこの鍵盤は目の前にあります。
そして本体にはめ込まれました。
しかし、これで終わりではなく、現場のピアノ本体に取り付けてから、ピアノ全体の調整を今回はお二人でやっていただきました。
取り付け後実に2時間半。
本当に繊細な作業です。
そして今回のオーバーホールは終わりました。
鍵盤部分は完璧。
しかし本体と組み合わせると微妙な音や他の可動部分との調整がいかに大変か思い知りました。
このKAWAI650は古いピアノだけれど、存在そのものがレアで「良いピアノ」だそう。
白鍵の象牙貼りは1枚もので、これも象牙鍵盤の中でも上位モデルだそうです。
何より最初から関わってくださった専門家の皆さんが、このピアノの型番を聞いてやり甲斐を感じて付き合ってくださっている事も、このピアノにとってもホールにとってもとても幸運な事でした。
ただホール内の今日の湿度は38%。30%を切るとご老体のピアノにとってはかなり辛い状態になるそうです。
それに今は長年居た環境からコロッと変わってしまって、不安定な状況である事は確かで、落ち着くまでは年月がかかるとも。
特に冬場に向かってしっかり湿度管理をせねば。
帰られた後、弾けないピアノを少し弾いてみました。
確かにかっちりしたタッチに変わりました。
それを重いと言う事も出来るけれど、この頃のKAWAIはこのくらいのタッチで、かっちりするという事は、ピアニシモなど様々な音のコントロールがしやすいという事です。
15日のオープンマイクより音のある現場に戻ります。