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009.近畿日本ツーリスト株式会社が推進する“課題解決型のバリアフリー旅行”とは?

[近畿日本ツーリストのユニバーサルツーリズム推進活動]
近畿日本ツーリストは、1997年に、旅行業界で初めて、バリアフリー旅行(国内外の募集型企画旅行)専門の「旅行センター」を設置して以来、2018年までの21年間、沢山の(要介護高齢者及び車いすユーザーの)お客様をご案内してきました。当時は、観光地のバリアフリー化が進んでいないため、「物理的なバリア」を解消することを目的(価値)とした旅行商品を中心に企画実施してきました。

2020年(2021年)に東京オリンピック・パラリンピックが開催され、国内の観光地や国内宿泊施設、公共交通機関等のバリアフリー化が進む中、長年実施してきた物理的課題を解決するバリアフリー旅行から、社会の課題を解決することを目的にした「課題解決型バリアフリー旅行」に、大きく舵を切りました。

今回、紹介するのは、オストメイト(ストーマを装着して間もない方を中心に)を対象に温泉を楽しむツアー。

以下のグラフのように、オストメイトの皆さんが、日常生活の困りごとで、ダントツ1位である、「温泉に行けなくなった」を少しでも解決できたらという思いで実施しました。

<グラフ:アンケート調査結果>

出典 『ストーマ保有者の困った経験の実態調査報告書 あなたに知ってほしい ストーマとともに生きること』NPO法人ストーマ・イメージアップ・プロジェクト、2015年


また、オストメイトの皆さんの「また温泉を楽しみたい!」という思いを叶えるだけでなく、受け入れ側の宿泊施設(温泉施設)の理解を推進することも目的にしています!

2019年に実施して以来、新型コロナ感染拡大の影響を受けてツアー再開の見通しは立っていませんが、状況が落ち着いたらまた実施したいですね!!

以下にて、前回行ないましたツアーの内容を掲載しています!


■不安解消プログラム(記事は3回の連載です)

1.大浴場を半貸切で気兼ねなく温泉入浴
木更津のホテル三日月にて、脱衣所と大浴場の一部を貸し切りにして、温泉入浴を気兼ねなく楽しんでいただきました!

2.  ストーマ装具を深く知る工場見学と旅仲間との情報交換会
ストーマ装具を製造するアルケアの工場(千葉県千葉市)で、 ストーマ装具の製造工程や品質保証の体制を見学。 製品の安全性、 耐久性を知り、 理解を深めることで不安を解消しました。

3.  食生活や旅などへのアドバイスを伝授
栄養士の「大腸にやさしい美味しい食事のとり方」講義や旅行経験者のオストメイトによる体験談や注意ポイントのアドバイスなど情報交換会を実施しました。また、同じ悩みを抱えた人同士の交流をはかり日常の悩みや課題を共有し、 旅に出る不安の解消に役立ててもらいました。


近畿日本ツーリスト株式会社/ユニバーサルツーリズム推進活動


<参考1>オストメイトの公衆浴場での入浴に関する啓発リーフレット(P1、P4) [PDFファイル/1.24MB](岡山県)

<参考2>オストメイトの公衆浴場での入浴に関する啓発リーフレット(P2、P3) [PDFファイル/1.37MB]

<参考3>調査報告書/ストーマ保有者の困った経験の実態調査報告書「あなたに知ってほしいストーマとともに生きること」(2015)

<参考4>調査報告書/ストーマ保有者の困った経験の実態調査2020「あなたに知ってほしいストーマとともに生きること」NPO法人stoma image up project


全国バリアフリー旅行情報センター/note
要介護のご高齢の方たちが、旅を通して、いつまでも自分らしく、より豊かな人生を過ごすために、noteを活用して全国のバリアフリー旅行情報を発信して、ユニバーサルツーリズムの推進活動に取り組んでいます。

■伴流高志|banryu takashi (プロフィール
1997年より、要介護高齢者及び障がいがある方と、そのご家族の旅行企画・販売(バリアフリー旅行)に携ってきました。介護福祉士の資格を取得し、世界72か国・国内47都道府県すべての地域のバリアフリー旅行(添乗員同行の募集型企画旅行商品)の旅行計画・手配・添乗業務を行ないました。今後は、個人向けのバリアフリー旅行の普及にも貢献したいと考え、本サイト(Note)を運営しています。

■全国バリアフリー旅行情報センター
2020年より、要介護高齢者や車いすユーザーが旅行に出掛ける際の「宿探しの手間」を少しでも省くことを目的に、バリアフリールーム・ユニバーサルルームの設備があるホテルを紹介するサイトを運営しています。(個人)

近畿日本ツーリスト株式会社/ユニバーサルツーリズム推進活動
2018年より、長年取り組んできた(物理的な課題を解決する)バリアフリー旅行*募集型企画旅行から、東京オリンピック・パラリンピックを契機に、超高齢社会や共生社会をキーワードにした様々な社会課題を、異業種や地方自治体と連携しながら解決していく社会課題を解決を目的としたバリアフリー旅行の企画提案を行なっています。また、2019年より、全国の中学・高校・専門学校・大学へ、生徒向けの「心のバリアフリープログラム」企画提案を行なっています。

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