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#119 職業病
息子が運動会の振替休日だというので、本人希望により野球殿堂博物館に行くことになった。だがサイトを調べると月曜定休日とある。行けないぢゃん、というと、なんと火曜日も休みだという。そんな運動会がんばったボーナスみたいなことがあるのか、と聞くと、なんでも開校記念日がこっちにやってきているのだという。こっちにやってきたのであればしょうがない。博物館は当然土日もやっているのだが、ゆっくりじっくり見るには平日に行けばいいに決まっておる。
開館と同時に行くとさすがにガラガラであると思ったのだが、想像以上に同じことを考えている人は多いらしくポツポツと人がいる。スーツケースを引いているのは観光客であろう。あんまり朝10時から開いている観光スポットというのもないのかもしれない。
今年のWBCのトロフィーを大名物に、割合に「想像できる」展示物が続く。「王貞治が素振りした日本刀」「岡本のバット」「日本初のピッチングマシーン」「日米野球の歴史」「女子野球の変遷」「プロ野球戦没者」などなど。国際大会のウイニングボールには日付と対戦国がちゃんと描いてあって、昆虫標本味を感じるが、想像以上に、全体を通しての意外性はなかった。小学生から(わりと熱心な)プロ野球のファンではあると思うが、いわゆる普通の博物館における「へえ、これが!?」という驚きはない。どうがんばってもバットはバットなのであった。
しかし、必要以上にユニフォームやバットやスパイクの展示が多い気がする。なんというか、郷愁とか、憧れとか、そういうものとは別に「●●さんの身に着けていたもの」という部分に興奮や感動を求めるタイプの客が相当数いるのかもしれない。
WBCのトロフィーはでかかった。トロフィーはみんな変わったかたちをしている。ああいう造形が誰が考えて誰がOKを出すんだろうか。
個人的に目の行ったのは、それぞれの世界大会での参加選手一覧(情報量が多い)のボードのレイアウトをどう処理しているかとか、かつての日米野球のチケット(オリオールズvsどこだか)のチケットのイラストやデザインだったりした。チケットにペペッと描いてあるオリオールズの鳥がいい味を出していて、ああ、こういうなんでもない感じの仕事をおれもしてみてえなあとか思う。
畢竟、目の行く先が職業病なのであった。
ちなみに息子は、誰だかのグローブの中にひらがなで「まいぺーす」って刺繍してあるのが楽しかったそうでございます。
あんまりいい客にはなれなかったな。
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