えねーちけーアーカイブス #158 ひとの哭きかた
ながちろのオンライン作品を掘り出して再利用しようというNHKアーカイブス。第158回は「ひとの哭きかた」。
https://www.qbooks.jp/3000/351/#a1
おなじみ演劇部もの。「泣く」もしくは「哭く」「慟哭」という演技のためになにを参考にしたもんだか、という部分を試行錯誤する小説でありました。
あー。はー、過去にはこれだけ頑張って小説を書いていたときもあるんだなぁ、という感想がある。質量というか、重さというか、ちゃんと小説に読めた。このまま続けていたら「演劇部もの」ということで長編が書き上がっていたのかもしれない、というのはとりあえず空想上の動物レベルの与太ごとではあるとして。
最近、年末年始にやっていた「響け!ユーフォニアム」の劇場版4本を立て続けに観た。そうすると、実に当たり前のことなのだが、主人公(黄前)がいて、サブとして高坂とか、田中先輩とか、久石とかの話をメインディッシュに話を展開させていく。なんというか、「物語」としてはそうしないと観ている側にとってはわけがわからなくなるには違いないのだが、でも、部員一人一人にはそれぞれ別のドラマがあるはづなんだよな。と、いろいろな人物の細かいエピソードを積み重ねていったところで楽しいのは作者だけなのかもしれない。
おそらくは、発想としては、「演劇部の小説」という長編ではなく、演劇部という世界観における「宇治拾遺物語」みたいなものを作ろうとしていたのかもしれない。エピソード集。戸板康二『ちょっといい話』みたいな。ああいう短いものを重ねて押し出すみたいなスタイルが好きなのではあるが、今の世においてはまったく需要がないように思える。
とまれ、なんかちゃんとやってたな。読者もいないのにな、という感想を持った。
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