えねーちけーアーカイブス #76 裸のアレ（附・非常に安全な熊の捕り方）

　ながちろのオンライン作品を掘り出して再利用しようというNながしろさんH恥のK掻き捨てアーカイブス。第76回は「裸のアレ（附・非常に安全な熊の捕り方）」。

第100回 1000字小説バトル

　裸の王様はあくまでも童話なのであんまり深いことに突っ込んではいけないのであるが、王様が莫迦には見えぬ服を着ている（≒裸である）ときに「あっ、やっぱり裸じゃね？　と正直に言うと莫迦だと思われるから着ていることにしておこう」という判断をする、ということは重要度については[莫迦だと思われない＞裸で風邪を引いて腹を壊す]であるという式が成り立つ。言い替えれば「権力＞現実」である。
　もしかすると、時代背景として「莫迦だと思われると寝首をかかれる」可能性が発生する時代なのかもしれない。この可能性が「あるな」と思ったのにも理由があって、この「莫迦には見えない服」自体が王様を失脚させようとする一派による罠だと考えることも出来るからだ。その前提に立つと民衆が、子供が何を云おうが「裸が正しい」のであり、今度は王様の方からバカが舐めると死ぬ水飴でも送りつけれやればいいことになる。お、いつのまにか一休さんになってしまった。

　王様のイメージは伊武雅刀でお読みください。