えねーちけーアーカイブス #122 脱皮崎
ながちろのオンライン作品を掘り出して再利用しようというNHKアーカイブス。第122回は「脱皮崎」。
創作論的な話を。といっても、そういえば高校生くらいの時から「もののつくりかた」は変わっていないなあという話。
北斎の神奈川沖浪裏の波に巨大なアリを立ち向かわせた絵を描いてみたり、そのアイデアで生まれる「歪み」を作品全体で違和感がなくなるように展開していったらどうなるか、というのが当方の制作メソッドのうちの大きな核であり、終始そんなことだから、己の作品はおしなべて「しょうもない」と自認するにいたる。そらー志もナニもないのだもの、心を震わせるような感動は生まれっこないが、自分の心の何処かで「面白い」と思ったものを展開するということだけはずーっとしてきた。で、現在に至る。
で、本作だ。「脱皮崎」、元ネタはもちろん(今は知らない読者のほうが多いんだろうな)吉田拓郎とかまやつひろしの「竜飛崎」であり、<竜飛崎よ どてっ腹をぶち抜かれちゃったね>でございます。「だーっぴざきーよー」脱皮崎。誰が、なぜ、どのような皮を脱いだのか。
と、こういう莫迦莫迦しい、でたらめな、ちょっとおっさんが思いついたようなネタを綴るにあたっては、わりと本寸法(に見えるかもしれない)でやるしかなく、これを均衡をとる、と申しますが、筆致の硬さと内容の莫迦さが緊張感を生む。この緊張感が作品を、いちおうは作品たらしめる。開けたらしめる。あ、できたできた、と保存ボタンを押す。
こんなことばっかりしてきたんだなぁ。
そりゃあ、売れないよなぁ。
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