#36 チキンもシーチキンの仲間だろうが
刺身とたぬきそばが好きである。刺身ならなんでもいいところがあるが120g278円のマグロのブツが30%引で194円(税抜)になったやつで酒を飲むと幸福である。194円というのが満足度に直結する。
ところが世の中はうまく行かないものでブツ(某店では「角切り」と称して売っている)がなくて切り落とし(80g288円である。くたばれ!)だけあったり、角切りはあっても30%引されていなかったりと世の中儘ならぬことばかりで発狂して近所の高級スーパーで舟盛り1,980円(税抜)を買ったりしないところが実に貧民でありますがさてお立ち会い。マグロがだめなら鳥を食えばいいぢゃない。というわけで鳥刺しをする。
出典は東海林さだおの本のどれかのはづ。鶏ささみ5本を30%引で264円と手元の家計簿には書いてあるが、これで400g。一本80g。そのくらいわかるわいジイチャン!
小鍋に湯を沸かし、センターにまっつぐ一本切れ目を入れたささみを投入する。待つこと40秒くらい。かならず一本ずつ茹でること。茹で上がったらまた沸騰するまで待つこと。湯温は大切でありましょう。
なんだかいやらしい形状に見えてしまったひとはここで悔い改めること。食いながら温めろとは誰も云っとらんぞ貴様! それでも軍人かヲヱ!
なんとなく緑色に見えるのは直前まで茹でていた小松菜の切れっ端だと思われるので心霊写真雑誌写真とかには投稿せぬように。
鍋から一本ずつ引き上げて水で冷やし、食べやすい大きさに切り分けて盛る。どこまでも肉を頬張っていきたいひとはこのままどんぞ。
肉はどのくらいレアで構わないのか、と問われれば、このくらいでも特に腹は壊さなかった(人体実験済)。このへんは前からの疑問で、鶏肉につくと云われるサルモネラ菌って、肉の表面につくんだと思うので40秒も煮沸すれば大丈夫なんだろうとは思うんだけどそのへんはググっても出てこないのであった。もしかして肉片すべて筋繊維にまんべんなくみっしりと菌が、というのはさすがにちと考えにくいので、これでよいことにする。あとは身体で学んでもらおう。
さぁ盛り付けたぞ。あとはワサビ醤油でも酢醤油でもご随意に。
こうしてはじめのうちはうまいうまいと食うておるのだが、量がかさんでくるとだんだん「あれ、なんかとうもろこしの味がしてこない?」となる。これ、おそらくは(あくまでも推測です)生前、餌として食わせていたものの味がふわっと残っているのではないか。これ、目玉焼きを半熟で食っていても同じ現象がある。どうしたものか、って醤油とわさびを足していけば問題ない。そもそも、我々はマグロ的なものを腹いっぱい食べたかったのである。初心に帰らねばならない。
肉をただただ頬張りたい人向けレッツ屈筋。筋肉だけに。