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いざ原体験を追え〜感動編〜

真っ先に思い出したのが『リトルフット』というアニメ作品だ。
物心ついた頃、ビデオで観た。
大好きで何度も観た。
我が家では僕が「リトルフットを観せてくれ」とせがむ時のモノマネが今でも存在する。
僕が入っているサブスクでは観られなかったので、YouTubeのリトルフット専門チャンネル(!?)の動画と、僕のあまり信用ならないあいまいな記憶を頼りに書いてみよう。

お話はこんなだ。
時は恐竜が地球を支配する時代。
ある首長竜の赤ん坊が皆に祝福されながら誕生した(それがリトルフット)。リトルフットは母と祖父母の愛に包まれながら成長していく。
そんなある日、捕食者に襲われた上、巨大な地震にも見舞われ、平和だった生活の全てが一変してしまう。
祖父母とはぐれ、母を亡くしてしまったのだ。
ひとりぼっちになったリトルフットと、同じ境遇の子供達は、共にはぐれた家族と会うべく、そして豊かな資源があるというナントカランド(思い出せない)を目指して不安な冒険に出発する。
執拗に襲いくる捕食者、仲間割れ、その他たくさんの障害に見舞われながら、果たしてリトルフット達はナントカランドに辿り着けるのだろうか。そしてはぐれた家族ともう一度会えるのだろうか…

まぁこんな感じだったと思う。

この作品、とにかく“豊か”なのだ。
豊かな“喜び”と“悲しみ”と“温もり”に満ちまくっている。

幼かった僕は単に冒険心をくすぐられながら観てもいたが、
力尽きかけている母と最後の言葉を交わすシーン、
まだ小さくて飛べなかった翼竜の友達が初めて空を飛ぶシーン、
極め付けは、夕暮れに長く伸びた自分の影を、母と勘違いして嬉々として駆け寄るリトルフットのシーン。当時も「ふえーん」と大粒の涙を流しながら泣いたし(母親に抱きついた)、今思い出すだけでも部屋でバタフライ出来るくらい涙が出てくる。
ああ、なんだか“豊かな涙”ってこんな感じだよな〜と思う。

それから印象的なのが“眠り”のシーン。
産まれたばかりのリトルフットは母の背中に乗って眠る。母の背中の皮がまあるく優しくリトルフットを包む。とても暖かそうに。
それから冒険の途中、友達と一緒に寒さを凌ぐように捕食者の足跡(!)の中で身を寄せ合って眠るシーン。
ああ、そうだよな。豊かに眠る時って温もりと安心感が必要だよな〜と思う。

そんな豊かさにそっと寄り添ってくれるのがダイアナ・ロスの“If We Hold On Together”だ。
エンディングに流れる主題歌でもあり、作品中にも様々なアレンジでこの曲が流れる。
初めて音楽で感動の涙を流したのもこの曲なんじゃないかと思う。

この作品、当時は勝手にディズニーかと思っていたが、後に違うことが分かった。
今思えばこの作品には“救い”がない。
ディズニー作品には、誰が観ても「アーヨカッタヨカッタ!」と思えるような“救い”が用意されている。
この作品には“救い”が一切無い。代わりに〈乗り越えて生きていく事〉や〈抱えながら生きていく事〉など、もっと生々しい感情を抱かせる。
だから「全体的にリトルフットは悲しくて感動的な話だった」という記憶が残っているんだと思う。
※一応言っておくと僕はディズニーも大好きです!

さて、大人になってから知ったのだがこの作品、製作総指揮がスティーブン・スピルバーグとジョージ・ルーカスらしい。そりゃあ面白いに決まってる。

今どこで観られるのか知らないが興味のある方はぜひ観てみて欲しい。
YouTubeのムービークリップを観るだけでも豊かに涙する事が出来るだろう。

↓“影”のシーン🎬

て事で、僕が初めて“感動”を認識したのは『リトルフット』なのであった。
多分。

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