BG2, 第2章、ヘルムのハイウォッチャーの依頼、”見ざる眼”のカルトに潜入せよ
<テンプル地区にて。既存の神は偽りであり、Unseeing Eye ”見ざる眼”なる唯一神に仕えよと説く説教師ガールが群衆を連れて去った後、それを見ていたヘルムの寺院の大司祭が主人公に自分に会いに寺院に来るよう言って去っていく。そこで主人公が寺院に訪ねていくと…>
ハイウォッチャー*・オイシグ
「もう来てもいい頃だと思っていた。まず言っておかねばならぬが、私はそなたの評判を知っている。が、それとこの件とは無関係だ。そなたはそなたの務めぶり如何によってのみ評価されよう」
「私の依頼する任務は危険をはらんでいる。しかし、そなたは有能に見える。よく務めるのだ、さすれば酬いがあろう。いささかでも裏切るようなことがあれば、それはすぐさま露見する。では任務の内容に移ろう」
「そなたもあの街頭の愚か者の演説を聞いただろうな?もしあの者の言うことが真実なら、各宗門の間に保たれている微妙な均衡が破れる恐れがある。新たな力の出現は、現状に混乱をもたらすだけだろう」
「もしあの者の言うことが偽りなら、何であれあの者が勧めているカルトは、騙してあの者について来させた者らをただ食い物にするかもしれぬ」
主人公
「あの男は民衆の不安につけ込んでいました。あなた方から民衆に彼よりしてやれることは?」
ハイウォッチャー・オイシグ
「ヘルム*は揺るぎなき信念をお授けにはなるが、信仰が堅いとてすぐ何ぞの酬いがあるわけではない。ヘルムが人の姿をお取りになることも滅多にあるものではない。定命の者に立ち交わるのは神の為すところではないのだ」
主人公
「なら、あの男の主張していることは倍も怪しいというものです。お手伝いしましょう。でも、何をすればいいのですか?」
ハイウォッチャー・オイシグ
「”眠らざる眼の御主”はこのカルトのことをご存知に違いない。彼らの奨励する視力の喪失は、ヘルムにとって忌まわしきものだ*。我々はそなたに何が起こっているのかを探り出し、その真相を突き止めてほしいと思う」
「”油断なき者”は、カルトは地下の、ここにほど近い場所にあるとお告げになっているが、我々には下水道の下までは見通せぬ。そなたは彼らの友を装い、あるいは征服者として、そこに潜入せねばならぬ。下水道への入口はそなたの地図に記されている」
「そなたはカルトという汚れを見出すために、下水という汚れを忍ばねばならぬというわけだ。彼らは下水溝のあいだに潜んではおるまいから、さらなる深みに到る通路が存在しているはずなのだ」
主人公
「お任せください。お求めの回答をつかんだら戻ります」
ハイウォッチャー・オイシグ
「”偉大なる守護者”がそなたの前に立ちはだかる全ての闇に光を投げかけんことを。そなたはここで必要な治療や道具を求めることができよう。侍祭にそう言えば、受け取ることができるだろう」
「我々に割ける人員は今のところ手薄だが、ヘルムの同盟者にしてトーム*に奉仕する者が、下水道でいまそなたが来るのを待っている。ケルドーンを探して任務を共にするがいい。信仰の力がそなたら両者を導くであろう」
*ハイウォッチャー High Watcher はヘルム神の僧侶のランク名のひとつ。11ある中の上から3番目だから、けっこうなお偉いさん。ヘルムは守護や監視を司る神だから、肩書にも Watcher(見張り)などそれに関連する語がついている(この点は夜明けの神ラサンダーなどの僧侶も同じ。だから肩書を見れば、どの神を信仰してる僧侶かもすぐわかったりする)。
*ヘルムは守護・監視・警戒などの神。”眠らざる眼の御主” He of the Unsleeping Eyes, ”油断なき者” the Vigilant One, ”偉大なる守護者” the Great Guard はみなその別称。職務に冷厳なまでに徹底的な神(最高神の命により、同じ神をも手にかけたことがある)なので、やや畏怖される向きもあるが、やはり民衆にポピュラーな善神。
*ヘルムは監視の神だから、目をえぐって見えなくする宗教など、それは大嫌いに決まっている…
*トームは奉仕・自己犠牲の神で、特にパラディンからの信仰が厚い(善のために我が身を擲つという精神ゆえ)。すぐ後に出るケルドーンも、やはりパラディン。