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BG2, SoA, ヤンとアノメンの会話、糞オークものがたり①

<やたらと承認欲求の強いアノメンの根も葉もない自画自賛を聞きつけたホラ吹きノームのヤン、さっそく彼を思い切りおちょくりにかかる>

アノメン
「やれやれ、こんな冒険はしろうと向きだな。私はかつて参加したヒル・ジャイアントの討伐戦で、20体もの罰当たりの巨人めを切り捨てたものだよ」
ヤン
「わしは前にあの低脳ロボトミーのオークの話をあんたにしたことがあったっけな、騎士アノメンどの?」
アノメン
「したことはない、そして聞きたいとも思わない」
ヤン
「まあまあ、わしが子供だったころ、わしらの母はわしらにシリアル*を、うちじゃそれを買うのが精一杯じゃったが、それを盛ったお椀をわしらに配って、このお話を聞かせたのじゃよ。お聞きあれ、騎士どん、さもなきゃ恥を掻く*ことになるかもじゃよ」
「昔、致命的にオツムのいかれたアノというオークがおった。ある日、アノがフトンに詰める牛糞*を探しながら森をうろついとると、驚くべき場面に出くわした。勇敢にして高貴なる”輝かしきブリリアントイェン*”という騎士が、邪悪なジャイアントと戦っておったのじゃ。アノはイェンが巨人を倒すさまを見物しておった」
「それが済むと、騎士イェンは災いの魔女、こやつは幾人もの愛人に毒を盛ろうと画策しとった貴婦人でもあったが、こやつの手から多くの幼い子どもらを救い出すべく*馬で駆け去った。そこで、アノは素早く死んだジャイアントの首を切り落とし、それを持って糞オーク村の家まで駆け戻って、自分がこの化け物を倒したのだと吹聴したのじゃ」
アノメン
「警告しておく、ノームよ。いますぐその無駄口を止めろ!」
ヤン
「アノには他人の話にクチバシを突っ込む悪癖があったとあんたには言ったかな?とにかくじゃ、例のジャイアントの弟が、きょうだいが殺されたこと、その首が糞村で見せ物にされとるのを耳にした。彼はやって来て、アノがアホ丸出しでフトンに牛糞を詰めとるところをひっ捕らえ、ベルトに押し込んで、自分の洞窟に帰った」


*原文 gravel 。砂利や小石の意味だけど、シリアルの意味に取っておく(子供用のカラフルなツブツブのシリアルにはそういう名前のものもある)。その後に「それを買うのが精一杯だった」というのはアスカトラのノーム一家の例に漏れずヤンの一家も貧乏だったから。
*原文 eating gravel 。gravel(砂利)に似た意味の単語 dirt(土)を使った成句に eat dirt(土を嘗める、恥を忍ぶ、屈辱に甘んじる)というのがある。ヤンがこれからアノメンにしようとする話こそ、まさしくアノメンを屈辱にまみれさせるもの😅
*ヒル・ジャイアントがhill(丘)を好む巨人であるごとく、アノはdung(糞)村に住む💩を好む糞オークという設定らしい。また、牛糞 bullshit(ヤンはbull droppingsとあえて違う表現にしてる)にはデタラメ、タワゴトの意味がある。また、”mattresses マットレス(敷き布団)の中に入れる”という句には、ヘソクリやお宝を隠すという意味がある。つまり、アノメンはデタラメを後生大事に取っておくやつさ、と暗に言ってるわけ。
*もちろん、ヤンご自身を指す(イェン Jen、ヤンJan)
*西洋の魔女は、幼い子どもたちを誘拐して集めては魔法で動物に変えたり奴隷にしたりするのがお約束。

*なお、話のなかの人物に要らん説明をしたり、本題に特に関係ないことをクダクダ述べたりするのは、ヤンのいつものお喋りのクセ。

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