見出し画像

SoA, ケルドーンのクエスト#2、どこかよそよそしい家族たち

<自宅に着くと、ケルドーンは以前に変わらぬ屋敷の趣きに懐かしさが隠せない。さっそく長い間会わなかった娘や妻を呼び出して話を交わすが、召使いはじめ、どうも家の者はどこか何か気まずそうな感じで…>

ケルドーン
「ああ、ここだ、ついに…我が家に到着だ。私が不在のあいだも召使いたちがよく手入れしてくれている」
(主人公ら、ケルドーン宅に入る)
「ああ、ピオニー、おもての花の面倒をよく見てくれたな。奥様はどこにいるかね?」
ピオニー(女中)
「まあまあ、ケルドーンさま!もうひと月以上お顔を拝見しませんでしたわ」
ケルドーン
「私も我が妻に会わなくなってずいぶんになる。さあ、教えてくれ、マリアはいるかね?」
ピオニー
「ええ、もちろん、ケルドーンさま。マリアさまは―お部屋にいらっしゃいます。わたくし…お呼びしてまいりますわ」
ケルドーン
「そうしてくれるとありがたい、ピオニー。娘たちも呼んでくれ」
ピオニー
「マイ・レディ!ケルドーンさまがお帰りですよ」
(マリアと娘たち、集まってくる)
ケルドーン
「ああ、可愛いヴェスパー。学校の勉強はどうかね?頼んでおいたが先生たちは親切にしてくれてるかな?」
ヴェスパー
「うん、お父さん」
ケルドーン
「…よかった、よかった。それはよかった。それからレオナ、男の子たちはもうお前と仲良くしてるかな?お前をからかうのは止めたかね?」
レオナ
「先生が聞き耳を立ててる時はね」
ケルドーン
「よかった、よかった、それはよかった…」
レオナ
「お母さん、あたしたち、もう行っていい?」
マリア
「いいですとも。居間に戻ってらっしゃい。お父さまと私がお話するあいだ」
(娘たち、居間に引っ込んでいく。マリア、主人公らを一瞥する)
「で、この連中は何?カリムポート*であなたが改宗させたもと異教徒?それともサラドゥーシュ*で出会った旅の巡礼者?」
ケルドーン
「マリア、こちらは<主人公>だ。我々は彼女の幼なじみの友人を探しているんだ、彼女は―」
マリア
「そんなのどうだっていい、ケルドーン!あなたは2ヶ月もここに帰らなかったわ。2ヶ月前だって、いたのはたった1日きり!あなたの匂いさえここに残る暇がなかった…」


*カリムポートはアムンやテシールよりもっと南にあるカリムシャンの首都。アラビア調の土地なので「異教徒」なわけ。
*サラドゥーシュはアムンの南、テシールの都市。のちToBで訪れます。

*マリアが異教徒の巡礼者のと言っているのは、教会の仕事にばかり駆け回っているケルドーンへの皮肉。

いいなと思ったら応援しよう!