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カルチャーと決済

こんにちは!1回口座登録さえ完了すれば請求から支払いまで10秒で完結するPay By Bankの中の人、BANKEYの阪本です。今回は本屋さんの紹介と決済プラットフォームの話です。

装丁って面白い

-こんちわ。何か本の中身じゃなくて表紙を見せびらかしてるらしいね。
なぜそれを…はい、こちらの独裁者のデザインという本を読み進めていたのですが、内容はさておき、小口(本の背表紙の反対側にあたるかしょ)に施された仕掛けが面白くて色んな人に見せびらかしてました。

-どんな仕掛けなの?
ページをぱらぱらめくっていくと小口にヒトラーの肖像が浮かんで、逆にめくるとスターリンの肖像が浮かぶという仕掛けです。本の内容としては歴史上の独裁者たちがどのようにプロパガンダを駆使したのかをポスターなどの画像とともに体系的に整理していて「ほーん」という感じで読める内容です。本だけに。

-「・・・」
すいません。で、最近は本棚スペースにも限りがあるのでできるだけ電子書籍で読むようにしているのですが、自分としては物理的な本の仕掛けや手触り感が好きなんですよね。とはいっても何番の紙を使っててデザイナーさんが誰で、どの印刷所で…みたいなところまで拘りはなくて、あっこれいいなとかそのレベルの触りだけではありますが。
で、2025年2月14日に虎ノ門に本の装丁(表紙などの外側のデザインのこと)を切り口の1つにしたコンセプトの本屋さんがオープンしました。

ビジネスと文化の交差点

-へぇ、虎ノ門?
です、虎ノ門と言えば霞が関にほど近く大使館なども多くある昔から外国人の方も多く働き、暮らしているオフィス街なわけですが、近年はホテルオークラの改築や外資系高級ホテルの開業もありインバウンド旅行者の滞在も増え、虎ノ門ヒルズ、麻布台ヒルズの開発でチームラボが来たりと日本の文化を発信する場所としての存在感も高まっています。
書店の場所はホテルオークラから桜田通りに坂を下ってきたところの角、桜田通り沿いの虎ノ門ヒルズと麻布台ヒルズとを1:2に内分する点のあたりにあります(内分って久々に聞いたし、外分ってのもあったけど三角関数よりも使わない概念だな)。外観はこんな感じです。

桜田通りから撮影した入口付近の様子
内覧会に入れてもらいました

公式インスタグラムもありまして、TIGER MOUNTAINで検索ください。

-おしゃれな外観だね
ここは元々黒鳥社という出版社のオフィスだった場所で、ガラス張りの1階が桜田通りに面していることから結構本屋と間違えて入ってくる人も多かったみたいで。じゃあ何なら本屋にしてしまえということではないそうなのですが、書店&ギャラリーとして開業したそうです。中はこんな感じ。

キャッシュレスOnlyのレジ
これは壁

-でも書店って減ってるんじゃないの?
Amazon等のECによって、一時的に書店の数自体は減っていますが、アメリカではデジタルでない紙の本の売上が増加しており、独立系書店も年間300件ほどが新規開業しているようです。日本でも大型店とは異なる品揃え、イベント開催などと併せたコミュニティスペースとして地域に根ざす形で独立系書店の開業が増えています。少し話が逸れますが最近トランプ政権になったこともあり大企業がDEI宣言を撤回したりしているニュースを見ます。その事自体にも言いたいことは沢山あるのですが結局効率性を追及した結果、空虚な宣言だけが先走って後から撤回するみたいなことになるのでは?独立性書店のように分散していると効率性は悪いかもしれないけどDEIって意識しなくても具現化してるよなぁと思うわけです。話が飛びすぎました。

プラットフォーマーとカルチャー

-話を戻しましょう、今週って何の話だったっけ?
本題までが長くてすいません。千代田区が主催する「千代田カルチャー&テック」というのがありまして、ご縁があってピッチコンテストに出させてもらったんです。
ご存知の通り、BANKEYは代金回収の会社なのでカルチャーとはちょっと遠いなぁ、でも千代田区だから金融ということで良いかなぁとか思っていたのですが、こんなニュースがありまして(どこを引用するか悩ましい)。

引用記事は少し毛色は違うのですが、ある日突然クレジットカード会社から決済代行会社から決済停止を通告されるといったケースが最近増えてきています。引用記事は婚活サービスなのですが、ニコニコ動画やDMMといったコンテンツを扱う事業者で相次いで起こっています。

-オンラインだと困るよね
キャッシュレスが進展してきた中でも日本ではクレジットカードは圧倒的な決済シェアを持っています。その中でもVISA、Masterといった国際ブランドは日本のクレジットカード決済のインフラとして高いシェアを持っていて、これらの事業者が急に方針変更をすることで昨日まで支払えていたものがある日突然支払えなくなる。コンテンツを購入できないだけではないかと思うかもしれませんが、供給側からすれば死活問題です。
どうも背景は2022年に違法コンテンツに対する賠償責任について米国の裁判でVISAもその責任を問われたことにあるようなので、おそらく違法コンテンツあるいは違法が疑われるコンテンツをどう排除するのかといった事前の議論はあるのだと思いますが、引用した例だと土曜日に通告されて早ければ週明けの月曜日から使用停止にするということでかなり厄介です。

-それは大変だ!
大変なんです。決済プラットフォーマーからすれば現金などの代替手段があるのでどうしても決済したいならそちらでということなのですが、そうやってパスされていくと最終的には法定通貨である現金に行き着く。でも、それで社会全体として良かったんだっけ?ともなります。

-現金は今度匿名性が高すぎてマネロンリスクが跳ね上がるよね
です。現金はないよねということで、銀行振込が一番現実的な決済方法として最後まで残るのかなと思っています。銀行振込は、お金の受取人が銀行口座を持っていて、つまり銀行と取引関係があり、お金の支払人が自らの意思で(現金を手渡しする代わりに)取引銀行に資金移動を依頼する。こういった枠組みです。少なくともお金を払う側は普通は手数料を払えば取引銀行が振込したいというニーズに対応してくれます。一方で受け取る側についても銀行口座が使用可能な限りは代金を受け取ることが出来ます。

-でも銀行が口座を使えませんということもあるよね
もちろんあります。銀行も私企業なのでVISAやMasterのような形である日突然銀行口座を使えなくするという事態も起こり得ます。しかし大きく違うのは、例えば受取側の企業の立場として違法性がないのであれば別の銀行の判断は異なるかもしれない。利用者からすれば振込先は変わりますが支払はできる。一方で、受取側が反社であるとか、違法性が極めて高いであるとかでどの銀行も口座の利用を止めるという事態であれば、そこに振込してはいけない、ビジネスとしてNGということなので潔く決済を止めるという選択肢が正当化されるのだと思います。

-とすると問題はプラットフォーマーが限定されていること?
だと思います。VISAやMasterがあまりに力を持ってしまった、極端な話をすればあるVISAやMasterの一存で何でもできてしまう、もう少しバランスの良いところってあるのではないかということです。その点、銀行は一定の数が各国に存在しているので決済の担い手として引き続きその存在意義を維持できるのではないかと思っています。たとえ、CBDC(中央銀行デジタル通貨)の時代になったとしても、独占または寡占的な判断は歪む可能性が高いので中央銀行は機能提供のみで価値判断は民間銀行に委ねられるべきだと考えています。

-なるほどね、なんか銀行の新しいビジネスにもなりそうだよね
これまでの銀行は事業を見ると言いながら、数字ばかり見てきたという側面は否めないと思います。一方で決済にせよ融資にせよ、事業の移り変わりが激しい中でその中身までを理解して私企業である銀行としての価値判断をそこに下していくというのが銀行の1つの使命なのだと思いますし、それが広い意味でのガバナンスなのではないかとも思ったりします。逆にそれをしないなら、モデル審査で想定デフォルト率に合わせた金利で機械的に貸せば良くなります。

-また話が逸れたけど、何で君がこんな話してるんだっけ
すいません。結局のところ銀行振込というのは割と安定的で最後まで残る仕組みなのでこの部分を如何にストレスなく再構築できるかというのは世の中のデジタル化において重要だと思っています。BANKEYが取り組んでいる代金回収DXはまさにこの部分で、当然僕たちも請求元企業の審査をしますし、違法性がある場合にはサービス提供しませんが、金融機関とも連携しながら世の中のビジネスが上手く回っていくお手伝いをすることを目指しています。結果的に日本の文化の発展にも貢献できないかなと。

-そっかー、ニッチだけど大事な話だね
だと思います、サービス開始に向けて佳境ですが頑張ります!

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